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梅雨の晴れ間がちょと続いたが、夏は、まだ先。
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清張記念館に行ってから、いろいろ本をまた買いだした。
本書は、1993年に出た本だが、中古で、ネットですぐ手に入る。
松本清張さんが、亡くなられてすぐ出た本のようだから、絶筆と言ってもいいのかもしれない。
松本清張さんの古代史研究の最終形が本書に集約されている感じで、感動の一冊と言えるかもしれない。
これまで、清張さんの古代史にかかる本と重複している部分がかなりあるが、その後の発見を加え集大成した感じになっている。
その後、特に、近畿で、いろんな発見がなされているが、まだこの清張さんの説を否定する物は、見つかっていない。ただ、本書では、やはりアマチュアということで、自説をあまり議論してくれない学会に対する不満も述べている。
本書を読めば、アマチュアのレベルは、はるかに超えていることは明らかで、邪馬台国の議論の際、本書を議論に加えることは、必要だろう。
吉野ケ里と邪馬台国という副題がついている。
吉野ケ里は、清張さんの奥様の実家に近く、親しみのある場所で、かつ、清張さんは、邪馬台国は、九州北部と考えているから、邪馬台国と比定するのかなと思ったら、村の造り、発掘物が、倭人伝のそれとは随分違うという。
清張さんに言わすと、畿内説は、論外になる。
本書の最後の方に、清張さんの説の独自部分をまとめてくれているので、やや長すぎると感じられる本文も、最後に腹落ちする。
清張ファン、古代史ファンは、是非ご一読を。