かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

古墳と埴輪

2025年02月15日 | Books


今日は、ゴルフ。
風も少なく、コンディションは、悪くなかったが、スコアは、平凡。
凡ミスが多すぎる。



本書は、昨年出た。
タイトルを見て、即買い。
いい本だった。

テーマ的には、よくあるパターンだが、古墳と埴輪の関係を、時代毎に考察して、死生観の変化、地域毎の特徴、大陸との関係などの議論に展開。
その手法だからこその気づきも多かった。

棺は、蓋があるものと勝手に思っていたが、九州の方は、ない方が主流なのだそうだ。
これは、石室の中で、死後も生活するという死生観から来るものという。
逆に蓋をすると、身体は、地に、魂は、鳥に導かれて天に上るという死生観に基づくと考えることができるという。
そしてその流れを追うと、当時の東西の権力の様子が浮かび上がってくる。

著者は、古墳時代の、魂が天に上る死生観を天鳥船(あまのとりふね)信仰と名付けるが、まさに古墳におけるはにわの配置、埴輪の形状から名付けたものだ。
その古墳的他界観が、仏教伝来により、仏教的他界観にシフトし、古墳時代は、突如終焉する。

もちろん、入手可能な資料からの考察(特に大陸側の資料は、膨大かつ、複雑)ではあるが、説得力のある話と腹落ちした次第。
古墳、埴輪を、総括的に考察した良書だと思う。
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日本の古代とは何か

2025年01月28日 | Books
今日は、ゴルフ。
午前中、コンディション最高で、スコアもまずまず。
ところが、午後から強風が吹き出し、直接は関係ないのだが、大叩きホールも出してしまい、平凡なスコアに終わった。
残念。
現在、関西に移動中。



本書は、本屋で見つけた。
比較的若い研究者が、日本の古代(奈良~平安)の諸テーマについて、最新の研究を解説、議論。
新書の割には、かなり専門的で、難しかったが、現在のNHK大河ドラマに描かれている世界でもあり、興味深く読めた。

驚かされるのは、私が、初めて日本史を習った頃の考えは、かなり覆されているということだ。
覆されるというとちょっと言い過ぎかもしれないが、かなりステレオタイプ的な歴史観を持っていたのが、そんな単純なものではない、もっと複雑曖昧なものだという議論になっている。
例えば、藤原氏は摂関政治の中で、権力を維持し続けたと思われているが、実際、道長は、摂政・関白だった期間は短く、それでも、20年権力を持ち続けた。
これは、摂関政治の時代だったから、権力を持ち続けたという以外の要因が大きかったことを意味する。

唐風文化から国風文化の流れは、遣唐使廃止がきっかけとされるが、実際は、遣唐使は、廃止されておらず、国風文化が芽生えた後も、唐風文化>国風文化という時代は続いたという。
ただ、国風文化が少しづづ育っていたというのも事実で、徐々に染み入るように変わっていった様子がわかって来たのだという。

受領は、悪代官イメージだが、この考え方も大きく変わっている。
確かに、悪い人もいたのだろうが、大方は、責任感を持って、地方統治を行おうとしており、その中での勢力争いがあったと考える。
今と変わらない?
逆に負担が大きく、成り手が減ってきてほどだという。

国をまとめようとして、中国の制度を導入したが、その理想と現実のギャップを埋めきれず、試行錯誤したというのが、日本の古代という結論?
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古墳

2025年01月27日 | Books


今日は、風は収まったが、冷えている。
家事に集中。

先日読んだ新・古代史で、NHKの番組で、古代史の面白さを教えてくれていた松木さんが、早逝されたことを知った。
その寸前に本書が出ていたことを知り、ネットでゲット。
文庫本だが、総カラーで、楽しく読める。

よくある古墳ガイドというよりは、いろんな角度から、日本の古墳を解説した図鑑みたいな本だった。
意外と知らないことが多かったことに、気づかされた。
例えば、古墳の形でも、双円墳、双方墳、積石塚など、珍しい形の古墳があることを知った。
石棺の位置が、前期は、後円部の上方にあり、これは、天に近い場所という意味があったという。
そして、前方部から後方部へは、天空のスロープのフォルムになっていた。
ところが、後期になると、横穴式になり、前方部の深部に設置されるように変化していった。
海外のお墓についても、紹介されているが、ヨーロッパでも似た作りのものが発見されている。
前方後円墳は、段差が、付けられていることが知られるが、最上級は、前方部、後円部とも3層なのだという。
大きさだけを意識していたが、その段差の数が被葬者の地位を反映していたのだという。

本書に写真が多く掲載されているため、見たことのないような造りの古墳が多いことも知った。
特に石積みの仕方が、時代や地域によって、大きく異なっている。
古墳の内部に入れる機会は限られるが、次回行く機会があったら、注意して見てみたい。
かなりローカルにある古墳も多く、全部回ることは難しいが、地方を訪れた時は、紹介されている古墳にも立ち寄りたい。
ニッチな古墳についても情報収集したい方向け。
面白かった。
改めて、松木さんに感謝したい。
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古代エジプト文明

2025年01月25日 | Books


今日はゴルフ。
曇天で、途中から寒気も吹き込んで来て、コンディションいまいち。
スコアもさっぱり。



本書は、広告で見つけて、去年の1月エジプトに行けたこともあり、ゲット。
たいへん面白かった。
エジプトの入門書として、手ごろな一冊と思う。

元は、2012年に選書として出ていたそうだが、今回文庫版に衣替えして出版された。

単調にエジプトの歴史を坦々と追うのではなく、大きな動きがあった時にスポット当てて、中堀りする。
写真や地図を、サイズは小さいが、適度に配することにより、書かれていることが頭に入りやすくなる。

特に面白いのは、周辺国との関係の歴史。
エジプト文明というと、その独創性が際立つが、東側、ギリシャ・ローマを中心とした西側、そして、アフリカ大陸内においても、様々な事件?があった。
最終的には、クレオパトラを最後にその歴史は終焉するのだが、その中身は、様々な交流・事件によって、ギリシャ・ローマに引き継がれていったという。
様々な文化の融合が、エジプトを軸に、3,000年の間、続いたという驚異。

ハイライトは、アブシンベル神殿でも見たラメセス2世とヒッタイトとの闘い、ラメセス3世と海の民との闘い、アレクサンドロス大王の東征、クレオパトラ辺りだろうか。
知らなかった遺跡の話や、カイロ博物館で初めて知ったタニスの遺宝の話も面白い。
アレクサンドロス大王が、各地にアレキサンドリアを作ったのは知っていたが、その遺跡の中には、ギリシャ文化とエジプト文化が融合していたことを示す壁画が残っていたのだそうだ。
アレクサンドロス大王の名は、マレーシア、インドネシアまで伝わっていたというから、凄い。
日本にも伝わっていたという説もあるという。
アレクサンドロス大王が、東方に進出せず、ギリシャ・エジプトにとどまっていたなら、ローマ帝国も、キリスト教も存在しなかったかもしれないというifは、想像力を描き立たせる。

エジプトの歴史が、独立した歴史ではなく、長年に渡る周辺国との交流を通して、現在の我々の文化に繋がっていることが感じられ、ますます興味が深まった。
世界史に興味のある方にお勧めできる。
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新・古代史

2025年01月23日 | Books


今日は、知り合いのコースでプレイ。
コンディションは、良かったのだが、なかなかタフなコースで、スコアは、いまいち。



本書は、本屋で見つけて即ゲット。
以前見たNHKの番組の取材班が、番組で放送された部分も含めて、古代史研究の最近の研究についてまとめた一冊。
古代史の旬のトピックをいいとこ取りした1冊と言える。

テレビで見た内容をよく覚えていないのだが、最新情報が多く盛られていて、興味深く読めた。
例えば、富雄丸山古墳から発見された、剣と銅鏡の話。
大きいことのみが、報道されるが、その形状も極めて特異。
剣と刀の中間の形状で、まさに、朝鮮半島の特徴と、日本の特徴が、ミックスされていることから、日本と大陸との交流が、普通に行われていたことを、表している。

馬の重要性も言うまでもないが、実は、古代の前には、日本にも馬がいて、それが絶滅した後、大陸から、馬が入って来たという。
そして、馬を持っているかいないかが、ほぼ戦争の勝敗を決するほどの重要性を持っていた。

櫻井茶臼山湖畔から、多数の銅鏡が発見されたことは、よく知られるが、粉々になっていて、かつ散逸していることから、なかなかその実態は、わからなかった。
AIを活用して、分析を試みたところ、100枚以上の銅鏡があり、しかも生産地が全国各地に散らばっていることがわかったという。
大和朝廷が、全国各地の豪族達が参加した集団であったことを表している。

最新技術を活用した分析により、より真実に近づいてきていることがわかり、たいへん興味深い一冊だった。

最後に、歴民教授の松木さんが亡くなっていたことを知った。
氏の番組で、古代史への興味も増したし、歴民博物館にも行った。
私より、お若い。
ご冥福をお祈りする。
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