12期生の大川鉄太郎です。
昨日、診断士業界で名高いE先生の講演をwebで拝聴しました。相変わらずの名調子で日本の人口減少に伴う
未来の危うさを説き、子供たちに少しでもましな姿の国を残すべく貢献するという決意を熱く語っておられました。
E先生の最も訴えたかったのは国内市場が縮小していくことの意味を大部分の人たちは認識していないのではないか、
このままだと一気に取り返しのつかない状態に追い込まれてしまう、という警鐘だったのかと思いました。
そのすぐ後にダイヤモンド・オンラインで「冷蔵庫にツイッターがついた!サムスンの発想力に日本メーカーは追いつけるか」
という記事を読みました。この記事の詳しい紹介は行いませんが、以前から言われていたこととはいえ、彼我の製品企画力、
製品開発力の差は改めてその大きさに驚きました。そして日本市場でほとんど販売されていないこともあり、多くの日本人は
どうせ安物だろうと思っていることがさらに危うさを増します。ちなみに60インチのテレビはサムスン製が2699ドル、
同型の日本のS社製やP社製は999ドルだそうです。30年前と真逆です。
とても大きな話になってしまいましたが、E先生の話も踏まえて考えてみました。彼我の最も基本的な差は何か?
1)国内市場の規模の違いです。韓国は日本の半分以下の市場ですから最初から国内ではなく世界市場を前提にした戦略を
とります。日本企業はまず国内市場ですから、国内向けがそのまま海外で通用するラッキーな時代が去ると、まさにガラパゴス状態です。
2)成功体験の違いです。少なくとも20年前までは韓国企業には無かったのでゼロベースで最適戦略を作ることができました。
日本企業は20年前の時点で山ほどの成功体験があり、それが大きな足かせになりました。たくさんの成果を上げた職場の
先輩や長老に従わざるをえなかった経験のある方は多いと思います。
こうしてみると決してハードの差ではないですね。でも対応は容易かというとそうは思えません。倒産する会社は多くの場合に
事前に、大部分の社員がこのままではまずい、という認識を持つそうですが、実際に変革に繋げられずに破綻に至るそうです。
変革するということは、環境が変わったとはいえ先輩や長老を否定することにもなりますから、容易ではないわけです。
でもここの壁を突破できないと、個々の企業のみならず産業も先に進めません。ここで診断士として何をすべきか、
何ができるか、を考えていきたいと思います。