講師の亀田です。鯉沼さんが拙著『新シニア市場の攻略のカギはモラトリアムおじさんだ!』(ダイヤモンド社)を
熱心にご紹介いただいているので、私からも少し補足説明をしたいと思います。(鯉沼さん、ありがとうございます!!)
そもそも、モラトリアムおじさんとは、
・行動が慎重で控えめ。
・社会に取り残される不安が強く、人とつながりたいがどうしたらよいのか分からない
その名の通り、これからの人生をどう過ごしたらよいのかを模索している人々です。
そんな人々の、特に男性に注目したのはなぜか?
男性の場合は、今まで尽くしてきた仕事や築いてきた立場が『リタイア(定年)』により失われた瞬間に、
地域に友達はいない、これといって趣味もないことに気付き、
これからの有り余る時間を何に使ったらよいのか分からない、という人が多いのです。
一方で、女性の場合は、人生の端々においてライフステージの変化や
それに伴う人間関係やコミュニティーの変化に男性よりも比較的慣れています。
ですので、課題が多く、企業がマーケティングを通じてサポートを特にすべきは男性である、という結論になりました。
では、このモラトリアムおじさんを攻略するには、どうすれば良いのでしょうか?
それには6つのキーワードがありますが、本日はその内の3つの要点を簡単に紹介したいと思います。
① 再開/リベンジ
定年などで仕事から解放されても、すぐに切り替えられないのが「モラトリアムおじさん」です。
心のどこかに自分のやりたいことを抑制してきた感はあるものの、
仕事中心の生活が長過ぎて、何を我慢してきたのかすら、分からなくなっているのかもしれません。
昔流行した文化や音楽に基づき、もう一度やりたい(再開)、
あるいは昔できなかったことに再挑戦したい(リベンジ)という気持ちを思い起こさせるアプローチが考えられますね。
② 大義名分
「モラトリアムおじさん」は自ら積極的には動きませんが、他者からの働き掛けや動かざるを得ない理由
つまり、「大義名分」があれば動きます。重要なのは自分に対すると同時に、対外的な「言い訳」です。
「自分のためではなく他人や社会のためになる」「頼まれたから断れなくて」といった理由がつけられると、行動しやすくなります。
③ 新しいコミュニティー
「今までの自分を変えたい」と思っていて、新しいステージやコミュニティーを希求している「モラトリアムおじさん」。
誰かが参加するきっかけを与えてくれて、そこに自然に染めるような工夫や仕掛けがあれば、動き出してくれます。
以上となります。(残り3つは書籍でご確認ください!!)
中小企業診断士の方々はあまり、モラトリアムおじさんになる可能性は高くないと思っています。
勤務していた企業以外にも「診断士」というコミュニティーがあり、マスターコースや研究会を通じて、自分の存在価値を示し続けることができるからです。
その点では、このシニア研究を通じて、診断士取得することの意義やメリットを発見することができました。