16期生の大石泰弘です。
それは質問力だ、と最近思います。
コンサルタントが習得するべき知識や能力はたくさんあります。それらの習得スピードを加速するのが質問力だと思うのです。
質問力とは、意思決定や問題解決にあたり、必要な情報をもれなく効率的に収集する能力です。聴く力とは全く異なるものです。
たとえば質問力が低ければ「解決策は何だろう」と自分に質問し、高ければ「問題は何だろう」とか「なぜ問題が解決しないのだろう」と自分に質問します。
三意は永遠に磨き続ける必要があり、いつも心がける必要があります。その時も、「三意を心がけているか」とか「この三意でいいのだろうか」と自分に質問しています。その違いを意識して使い分けられれば、習得速度を加速できるのです。
質問力が高くなると、クライアントへの質問を通じて信頼関係を構築することもできます。
ではどうすれば質問力を強化できるのでしょうか。それは、自分への質問力を上げることで強化します。
質問力についていろいろ学ぶ必要がありますが、いくつか紹介すると、まず質問には種類があります。オープンとクローズはみなさんもご存知でしょう。
その他にコンテンツ質問とプロセス質問があります。前者は情報の中身(コンテンツ)を問い、内容をよりよく理解するための質問です。「それは○○ということですか」といった質問です。
後者は結論を得るための思考プロセスを進めるために、必要な情報を求める質問です。たとえば問題解決プロセスであれば①現状把握質問②原因究明・対策立案質問③対策決定根拠明確化質問④リスク対策根拠明確化質問の4段階を意識して質問します。
コンサルティングはクライアントの問題解決をする仕事なので、問題解決のプロセスを持っていないと、コンテンツ質問を積み重ねてしまい、クライアントが納得できる解決策にたどりつきません。
私が中小企業診断士になったころは、これをやっていました。
今は、自分なりの事業承継問題解決プロセスを持ち、相手の関心事などを配慮しながら質問順序を入れ替えて質問しています。そして、解決プロセスがこれでいいのかを自分に質問して修正を繰り返しています。
質問について学ぶべきことをもう一つ紹介すると、学びには段階があるということです。知識を学ぶ段階、方法論を学ぶ段階、自分で問題解決する段階です。コンサルタントは最後の段階までまで学ぶ必要があります。どの質問がするに値するかを知るレベルです。「この問題はなぜ解決しないのか」とか「ひょっとしたら前提が違っているのではないか」といった質問です。
診断士になって5年経ち、専門分野も社員幸福技能承継に絞られてきました。遅ればせながら質問力を磨きつつ、問題解決コンテンツを充実させようと思います。