複業ノウハウあれこれ②(タイムマネジメント編))~複業を語ってみる(4回目)
事務局の大井秀人(20期)です。
早くも連載4回目です。今回は複業ノウハウのタイムマネジメント編です。うまく言語化できているか自信がないですが、私が複業時間を確保するために、心がけていることを5つあげてみました。今回もお付き合いいただければ幸いです。
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過去記事ははこちら
第1回:複業診断士を語ってみます(第1回)
第2回:企業内でできる診断士活動と、複業の見つけ方 ~ 複業を語ってみる(2回目)
第3回:複業ノウハウあれこれ①(手続き編)~複業を語ってみる(3回目)
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1.時間の使い方・働き方のマイルールを決める
複業しようと思うと、自分だけの時間を確保する必要があります。言われてみれば当たり前の話ですが、サラリーマンにはこれがけっこう難しい。いまだに「定時で終わるとヒマに思われる」といった昭和の悪弊も残っていたりしないでしょうか?
ただ、たとえば、月50時間の診断士の時間を確保するには
- 週末の1日を当てる 7.5時間×4日=30時間
- 平日の夜を毎日1時間確保する 1時間×20日=20時間
と、だいたいこんな計算になるのです。週1飲み会があると、週のうち1日は2時間確保する必要があるのがわかりますね。時間を計画的に確保しなければなりません。
ここにマスターコース、研究会、部会を入れていくと、15時間程度はすぐ消費されます。さらにインプットに使う時間を10時間と考えると、複業に真水で使えるのは25時間くらいでしょうか?なので、時間の使い方は厳格に考える必要があります。そこで、私は下記のマイルールをつくっています。
- 残業はやっても1時間。18時半終了。
- 週1~2はテレワークを入れ、通勤時間ロスを無くす。
- 飲み会は週最大2日。2次会は基本的に行かない(2次会行くと、翌日に持ち越すので・・・)
けっこう守れてないんですけど(特に飲み会)・・・(汗)。とはいえ、自分のためのガイドラインとして、時間の使い方と働き方にルールをつくり、それを守ってペースを確保することは、とても大事だと思っています。「だらだら残業」や「ストレス発散だけの飲み会」はできるだけ避けるべしと、自分を諫めています。
2.スキマ時間・移動時間をいかに使うか
移動時間・スキマ時間にもいろいろな種類があります。私はその特性に応じてタスクを割り当てることを、いつも考えています。自宅では思考を必要とする作業の時間をできるだけ長く確保したいですよね。なので、それ以外の作業をいかにスキマ時間に詰め込むかが勝負と、常々思っています。
<出張など長距離移動>
新幹線や飛行機移動などは、比較的質感の良い座席でPC作業ができます。ここは、集中的な作業をするのに好適です。いざ集中してみると、すぐに目的地に着いたりするので、やることを決めて、ファイルなどを取り出しやすいように準備しておくようにしています。
急ぎの作業が無い場合は、読書にあてることが多いです。
<移動中の待ち時間>
喫茶店やラウンジがあれば、作業にあてることができます。あまり長時間とれないので、調整ごと、メールやチャット処理、集計作業など、単純だけどちょっと手間のかかる作業をここに合わせるようにしています。
<自宅でのちょっとした時間(お風呂やごはんの前とか)>
移動中の待ち時間と同じですね。または、長時間作業の前準備などに充てます。
<通勤時間>
通勤時間にできることは限られています。逆に、この時間にできることはここに持ってくることを心がけています。主にインプット系のタスクになるでしょう。
- 新聞、専門誌、専門サイトなどの確認
- 読書
- 英語のリスニング
- 動画視聴
- 趣味の音楽、映画など
などが考えられます。私は通勤の満員電車が世の中で一番嫌いなのですが(日本の生産性が低い諸悪の根源と思っています)、リアルが復活した今、満員電車にはある程度お付き合いせざるを得ません。
満員電車では本は読みづらいので、スマホで読めるkindle、あるいはPodCastなどメディアで耳で聞くといったことが有効です。事前に、どんなコンテンツを電車で読むのか、聴くのかを決めておくことが重要です。難しいのはアウトプットとどう結びつけるかです。インプットで印象的だったことを、あとですぐメモすることも大事と感じています。
3.自分が何を大切にしたいか、何に集中したいかを決める
時間の使い方で「バケツにはまず大きな石を入れる」という考え方を聞いたことはないでしょうか?
これは有名なコヴィーの「7つの習慣」の第3の習慣なのですが、私が書くより適切な解説がWebにありました。
1週間という期間の中に、あなたには実に様々なこまかい予定や出来事があります。バケツの中に、そうしたこまかな予定、つまり小さな石か砂を先に入れてしまうと、すぐに半分ぐらい埋まってしまいます。
そうすると、あなたにとっての重要で大切なこと、「人間関係作り」「自己啓発」「健康な身体作り」「子どもとの時間」「将来の計画」といったようなこと、つまり大きな石が入るスペースがなくなってしまいます。
そして、あなたにとって重要なことが、また先送りされてしまうということになってしまいます。
ではどのようにしたら、たくさんの大きな石を入れることが出来るでしょうか? 大きな石を先にバケツに入れ、小さな石や砂を後から入れればいいのです。
(出典:第三の習慣:重要事項を優先する(最優先事項を優先する)(Franklin Planner))
要は大事なもので先に予定を埋めるということです。この話を初めて聞いたのは約20年前の「7つの習慣」のセミナーです。実は脳天やられるくらいの衝撃的な気づきでした。それ以来、必ず年頭には自分が今年何を学びたいか、取り組みたいかを考えるようにしています。自分の中で一番大切なものを決める必要があるのですが、意外にこれが難しい。特に診断士になってからは、学びたいこと、学ばないといけないことがたくさんありすぎて、優先順位づけが本当にやばいです・・・・(汗再び)。
4.年・月レベルでやることをブレイクダウンする
やりたいことの優先順位がついたら、年間の活動イメージをつくります。私の場合、年始に
- 月50時間の制約の中で、診断士として新たに学びたいこと、複業で取り組みたいこと
- 勤務先でやらないといけないこと
- プライベート(家族、趣味)でやりたいこと(ここ重要)
を洗い出し、どのようなスケジュール感で1年を過ごすかを、おぼろげに考えます。ただ、スケジュール化をあまりきっちりやり過ぎると、逆に計画に縛られてしまい、ストレスになります。「ゆるーい」感じで考えて作るのが、続けられるるコツかな、と思っています。そして、月のはじめには、その月をどんなタスク感で過ごすかを、これまた「ゆるーく」イメージするようにしています。
その管理には私はGoogleカレンダーとToDoを使っています。その中に、診断士、趣味のスケジュールとToDoをいれて、自分のタスクの負荷具合を可視化して、常にこれ以上複業タスクがいけるか、いけないかを判断できるようにしています。
会社と同じで、複業も打ち合わせや会議が多くなると身動きがとりにくくなります。診断士業界の打ち合わせはオンラインが多く柔軟性がありますが、逆にいつでも打ち合わせができてしまうという面もあり、やり過ぎに気をつける必要があります。カレンダーによる可視化はこのやり過ぎ防止にも威力を発揮します。
5.自分の限界を知っておく
今までの理論だった話とは真逆となりますが、思い切り仕事を詰め込んで、自分がどこまで仕事がこなせるかを知っておくのも悪くありません。
なぜかというと、診断士の複業はどれだけ計画的にやっても、突然仕事を頼まれることがあります。私の感覚ですが、診断士のお仕事の依頼は、会社で頼まれる仕事より避けにくい気がします。特に大企業の場合だと、代わりがいる、ちょっと抜けてもリカバリできる、といったことがあります(あ、これは大企業の仕事を軽視しているというわけではありません!!)。しかし診断士の仕事の依頼は一期一会。ここぞというときに受けないといけないケースは、企業内より多いと思います。
なので、複業時間が月50時間を超えそうなとき、どこまで受けられるかを知っておいたほうがいいです。で、その感覚は一度詰め込んでみないと分からないように思うのです。たとえば、
- 3,000字の執筆を頼まれたら、執筆・校正などでどのくらいで仕上げられるか
- 補助金の事業計画書支援を頼まれたら、どのくらいで仕上げられるか(補助金によっても違う)
- 査読を頼まれたら、どの程度の時間がかかるか
- メール返信、集計などの事務作業にどの程度時間をとられるか
などです。こういうのは追い込まれないと「このくらいの時間でこなせる」という限界値の感覚が、自分の中に生まれない気がします。また、この時間感覚を押さえておくと、自分自身のスケジューリングがとてもスムーズになります。最初のうちは、ある程度チャレンジして仕事を受けてみて、からだで時間感覚を覚える勇気もいるのではないでしょうか。
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いかがでしたでしょうか?雑多に書き過ぎてしまったかもしれません。他にも、週での予定の立て方、家族との過ごし方のコツ、生産性を上げるためのIT活用などいろいろ書きたいことが出てきたのですが、このへんにしておきます・・・。お読みいただきありがとうございました。
次回は「第5回(4月上旬):複業の心掛けと稼プロ!」の予定です。引き続きお付き合いください<(_ _)>。