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2100年に「敬老の日」はあるのか

2024-09-15 12:00:00 | 24期のブログリレー

みなさん、こんにちわ。24期生の中野です。

明日、16日は「敬老の日」。

こどもの日、父の日や母の日ほどではないですが、ギフト関連の広告等も多いですね。私も間もなく「敬われる」立場になるシニアです。ギフトも期待されます。
しかしながら「敬老の日」というこの祝日の存在、そろそろ岐路にあるのでないかと思います。
むろん、その精神と主旨の重要さは疑うべくもありません。ただ、設定時期と現在では、社会が大きく変わりました。具体的には年代別の人口構成です。

「敬老の日」の発端は昭和22(1947)年、兵庫県のある村で当時の村長が「お年寄りを大切にして村の発展のための知恵を借りよう」と提唱し、敬老会を開催したこと。約20年後の昭和41(1966)年、「老人を敬愛し、長寿を祝う日」として国民の祝日となりました(出所:「郵便局のネットショップ『敬老の日豆知識』ウェブサイト、一般社団法人ギフト研究所ウェブサイト)。

当時の高齢者の状況ですが、データの取れる1950年時点で現在「高齢者」とされる65歳以上が総人口比約5%。75歳以上は1.3%。総人口8,320万人に対しそれぞれ411万人、106万人でした。

2023年時点、65歳以上は構成比で30%弱。75歳以上が同じく16%強。総人口12,442万人に対しそれぞれ3,603万人、2,005万人です(それぞれ推計値)。

この70年間余りで、ボリュームでは65歳以上が9倍、75歳以上は19倍になりました。ちなみに2022年の15歳未満構成比は12%弱。75歳以上より少ない(出所:総務省報道資料(2023年9月17日)、総務省統計局資料(2023年4月12日))。
かつては希少でめでたいとされた長寿が多くの方々の有するところとなりました。

今後も、あと20余年後の2045年に65歳以上は約4,000万人、36%以上。75以上が約2,300万人で約21%。4,000万人という数字は2022年ギリシャの人口1,043万人の4倍水準です。

これを一個の企業と考えてみると、若手が入らず、社員の高齢化が進んでいく、上記ではデータを上げませんでしたが、人口=社員数自体減少していく、どうするか、という、多くの中小企業の現状や課題につながっていきます。
それに対し、シニア、女性、外国人の活用、自動化・省力化投資、それに係る補助金の活用、といった打ち手が考えられます。
中でもやはり、量的に増えていくシニアの活用がポイントになり、厚生労働省も2022年に「シニア活用企業事例集」
https://jsite.mhlw.go.jp/gifu-roudoukyoku/content/contents/001481577.pdf
を公表、10社の事例を紹介しています。

実際のところ、最近は年齢よりも若見え、あるいは身体的にもかつてより若い人も増え、もはや60歳、65歳といった就業上の年齢のハードルは実態にそぐわないとも言えます。
「年齢?え、うちはそんなの関係ないよ」と飾り気なくいえる企業が増えていくためのリソースは厚くなってきています。

ひるがえって「敬老の日」ですが、全員参加の企業に倣い、「社会参加と相互感謝の日」といった、年齢、性別を問わず社会活動に積極的に参加し、何らかの価値を生み出している人々に感謝し、感謝される、そんな日になってもいいのではないでしょうか。

社会参加しようがしまいが自由だ、参加したくてもできない人もいる、といった論点には今回は踏みこみません。ただ「敬老の日」の祝日を今後いつまで続けていくのか、僭越で恐縮ながら、そしてあくまで個人的な観点ですが、考えるべき時点にあるのではないかと思います。

ちなみにグローバルでは人口ピークが2080年103億人。
敬老の日の発端から約80年後が現在2024年。現在から約80年後の2100年の日本の人口は世界32位水準の7,700万人で5,000万人減少。
そのとき例えば中国は同6億3,300万人で2位も、2024年の人口規模より8億人近く減り、平均年齢が60歳超ということです(日本経済新聞7月13日記事。また、9月14日記事では中国の70年ぶりの法定退職年齢引き上げの記事が出ています)。
同じ80年後でもどんな世界になっているか、私にはちょっと想像が難しいかもしれません。というより想像したくないのですが、企業がゴーイングコンサーンであれば、中小企業診断士もかなりの確度でやってくるその現実に向き合わねばならないですね。そのとき我が国「敬老の日」はあるのでしょうか。

コメント (6)
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