皆さん、こんにちは。第24期生の森谷です。
この稼プロ!ブログリレーはもう6回目、今年最後のブログとなります。今回は『パレートの法則 60:20』について書いてみたいと思います。
先日早稲田大学と日経新聞のコラボ企画である「MBA Essentials 2024」に参加しました。これは、早稲田大学ビジネススクールのMBAのエッセンスを体感できる受講プログラムです。
私が受講した「市場を中心に置いた経営戦略」(講師:沼上 幹氏(同大学ビジネス・ファイナンス研修センター研究員教授))の講義の中で、「バイロン・シャープ氏の重要な指摘」に興味を持ちました。
具体的には、「あるブランドが市場シェアを得るにはライトユーザー(あるブランドにおける購入回数が低い顧客)は重要である」との内容です。今まで中小企業診断士の受験勉強等で学んだマーケティング理論から若干違和感を覚えました。「ロイヤリティ・プログラムを構築して、既存顧客のロイヤリティ(ブランドへの信頼)を上げて、ヘビーユーザー(あるブランドにおける購入回数が多い顧客)になってもらう」、つまり「ヘビーユーザーが重要」ではなかったか・・・?
講義を終えてモヤモヤ感が残りましたので、バイロン・シャープ氏の書籍が無いかを探した結果、見つけたのが『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』でした。
そもそもバイロン・シャープ氏とは、南オーストラリア大学の教授で、同大学のアレンバーグ・バス研究所のマーケティングサイエンスディレクターです。いままで100本以上の学術論文を発表し、ジャーナル5誌の編集委員も務めている方です。
この書籍の帯には「コトラー理論を覆すマーケティングの神髄」とあり、いきなり挑戦的な言葉が書かれています。さらに読み進めると、「今でもマーケティングの教科書は、検証不十分な理論、根拠のない理論、寓話的理論であふれている」と、主流なコトラー理論を批判しています。この書籍では、「1回限りの出来事ではなく普遍の法則を発見することに着目」したとし、様々な国・ブランド・カテゴリーを基にした膨大な調査結果から、ブランドを成長させるための11の法則を記載しています。
冒頭で書いたモヤモヤ感を書籍から紐といていくと、「あるブランドが市場シェアを得るためにライトユーザーが重要なのは『パレートの法則 60:20』が働くため」との結論に至りました。具体的には以下の通りです。
・あるブランドの一定期間における購入回数と購入者数(例えば、1回購入○人、2回購入△人・・・など)について、購入回数が低い順に棒グラフを描くと、ロングテール(左が高く、右が極端に低くなる)のようなグラフとなり、どのブランドでも同じようなグラフが描ける。ここから、「ライトユーザーがブランドを購入する機会は少ない。しかしその人数は多く、売り上げに大きく貢献している」。
・パレートの法則は、「規則性がありどのブランドやカテゴリーにも適用される」ものの、「厳密には80:20(あるブランドの上位顧客20%が売り上げの80%を占める)にはならない」、「通常であれば50%を大きく超えることはなく」「80%に到達することはめったにない」。
・ここから、「すべての消費者層、特にブランド購入頻度の低いライトユーザーにリーチをすることが極めて重要」。よって、マス・マーケティングは重要であり、「洗練されたマス・マーケティング戦略には多くのチャンスがある」と結論づけていました。
中小企業診断士に合格して以降、何冊かのマーケィング関連の書籍も読みましたが、バイロン・シャープ氏が主張する法則は目から鱗でした。一度学んだらもうそれで終わりではなく、常に勉強を続けていかないと新しい知見には至らないと気付かされました。今回のブログでは11の法則のうち、紹介できたのは一つだけでしたが、他にも興味深い法則がありますので、気になる方は是非書籍を手にとって読んでみて下さい。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
第24期生 森谷
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先入観を持ってはいけないという学びにもなりました。ありがとうございます。そして、そのようなプログラムを受講された森谷さん、さすがです。見習います。