こんにちは。24期の成嶋です。今回は、先日読んだ本を紹介したいと思います。よろしくお願いします。
先日、脳神経外科医である菅原道仁氏が書いた「すぐやる脳」(サンマーク出版)というビジネス書を読みました。この本の特徴は、するべきこと・しなければいけないことを、すぐにやり始めることができない原因を意思の弱さではなく脳の仕組みにあるとし、脳をやる気にさせるための様々な方法を提案していることです。また、その方法が脳科学の知見や科学的な実験結果に裏付けされており、説得力がありました。また、この本は気軽にサクッと読める文章で書かれており90分ぐらいで読むことができました。
この本を読もうと思った動機は、最近、仕事やプライベートですぐにやらなければならないことを、ついつい先延ばしにしてしまい、後で大変なことになることが最近多いです。何とかしなければいけないと思っていたとき、この本のタイトルが気になり読んでみることにしました。
本の内容を紹介します。するべきことをすぐにやり始めることができないのは、脳が怠惰であるためだそうです。脳は大量のエネルギーを消費する臓器であり、生物にとってエネルギーを使わないで温存することは理に適っています。例えば、ライオンが必要に迫られて狩りをしますが、それ以外はほとんど寝ています。脳が怠け者なのはそれと同じことであり、そのようにプログラミングされているからなのです。 怠け者の脳をどのようにしてやる気にさせるのか。著者は、ドーパミン・コントロールを提唱しています。『大辞林』によると、ドーパミンとは「脳の神経細胞の興奮の伝達に重要な働きをする」ものです。人は何かを達成したとき、つまり「成功体験」をしたときにドーパミンが分泌されて心地よい状態になります。脳はその心地よさを再度欲するようになり、脳の中で、その行動の関係する部位の働きを活性化させようとします。これを「強化学習」と言います。「成功体験」を積み重ねて「強化学習」を行う、その具体的な方法がドーパミン・コントロールです。その方法は3ステップで構成され、ステップ1が「自己暗示をかける」、ステップ2が「スモールステップに分ける」、ステップ3が「ドーパミンを分泌させる」です。このサイクルを回すことが重要だそうです。ステップ1は、「今日は〇〇を必ずやる」等と声に出して数回「小さな目標」を言う、ステップ2は、小刻みに目標を設定する、ステップ3は、小さな成功体験を積み重ね、そのフィードバックを行うことによりドーパミンを分泌させます。この本では、「すぐやる」、「こまめにやる、早めにやる」、「続ける」、「決める、選ぶ」、「決める、選ぶ」、「挑戦する」、「怒らない」といった行為や感情をコントロールするための、ドーパミン・コントロールを応用した方法や科学的実験や知見に基づく方法が提示されています。
この本を読んで印象に残っている箇所の一つは、「誤った成功体験が先延ばしを助長する」というところです。すぐにやらずに先延ばしにするのは、先延ばしにすることにより後で大変になったが最終的に毎回何とかなっているという誤った成功体験が原因の一つだということです。私の先延ばし癖の一つの原因も、最終的に運よく何とかなっているからだと思いました。この誤った成功体験を修正するための一つの方法は「一回痛い目に遭う」ことでした。仕事で痛い目に遭う、つまり完全な失敗をするとそれは取り返しのつかないことになるので、痛い目を想像することに留めた方がよさそうだと思いました。二つ目の方法は、最初は「報酬」をエサにして「すぐやる」ことの実践を促し成功体験を積ませます。それによるドーパミン分泌の心地よさを覚えさせることで習慣化させていくとのことでした。これは現実的にできそうです。私にとって、この他にも納得できること、共感できること、今後生活に取り入れてみたいことはたくさん書かれていました。もし興味がありましたら、皆様もこの本を一読してみてはいかがでしょうか。
最後になりますが、このブログを何とか書き終えて今の私の脳にはドーパミンが大量に分泌されています。この後、何の「報酬」をえようかと楽しみにしていましたが、仕事がたまっているので仕事をしなければなりません。「先延ばし」にしたい気持ちではありますが、仕事をした後のドーパミン分泌を楽しみにして頑張りたいと思います。読んでいただき、ありがとうございました。
最終的に何とかなった・・・⇒成功体験として刻まれる。なるほど。
今ひとつ気が乗らないことでも、工夫すれば達成感で気持ち良くなれる、ということを、ご機嫌に暮らす知恵にしたいと思います。ありがとうございます。
たしかに。この観点はありませんでした。なんとかなるという根拠のない自信やポジティブ思考も、要注意ですね。痛い目には合わないように、2つ目の方を実践したいと思います。