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山なりに声を届けることの大切さ ~声のトーンで印象が決まる~

2015-11-11 17:16:14 | 塾長からのメッセージ
こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。
今日は、普段、何気なく使っている命令形のフレーズについて考えてみたいと思います。

メール文章などで、「・・・・をしてください」という表現を無意識に使いがちです。自分は命令しているつもりはないけど、相手は、命令されていると受け止めることもあります。厳密には、「ください」は命令形です。
たとえば、「ご参加ください」「少々お待ちください」「こちらのお席にどうぞ」などなど。
この中で「少々お待ちください」については、日本語として、電話応対などで自然な表現として使われています。

先日宿泊したホテルでの出来事です。朝食会場のレストランの入口で朝食券を見せて、レストランに入ろうしたとき「少々お待ちください」と強い口調で言われました。店内に進むことを制止されたのです。口から発せられた声は、そのまま「一直線」に私の体に向けられてきました。これだと命令になってしまいます。実際、気分のよいものではありませんでした。

実は、私の前にいらしたお客様が、脇で、キャリーバックやリュックサックを下していたのです。すなわち「先のお客様をご案内しますから、少々お待ちください」という意味であることをすぐに理解しました。

他にどのように言い回しがあるのでしょうか?

●「少々お待ちくださいませ」
電話対応では、「少々お待ちください」というのは、慣習としてOKとされていいます。しかし、電話応対も含めて、「少々お待ちくださいませ」の方が丁寧です。ただし、これも厳密には命令形であることを自覚して使うことが大事だと思います。

●「少々お待ちくださいますか?」
「少々お待ちくださいますか?」とすれば、命令ではなくお伺いになります。

●理由をつける
「先のお客様をご案内しますから、少々お待ちください」と言われれば、理解も納得もできます。ただし、命令形なので、柔らかく、山なりに伝えることが大事です。

●「少々お待ちください」
このフレーズも、優しい顔で、そしてお客様に山なりに届ける声を使えば特に問題になることはないでしょう。

この事例を、私は、役所でのCS研修の講義で紹介しました。
窓口で、住民の方に、「少々お待ちください」というフレーズを普段使っていることに、ハッとしたとのことでした。
私自身も、他人から命令口調で言われた時に、同じフレーズでも言い方次第でニュアンスが変わることは実感しましたが、それを機に、命令口調であることを実感しました。

私が伝えたいことは、命令形を使ってはいけないということではなく、いい方に気をつけましょうということです。
メールのような文字のみのコミュニケーションでは要注意です。
電話では、声のトーンを優しくすれば問題はないでしょう。
フェイスツゥフェイスでは、相手に申し訳ないけどという気持ちを込めて、山なりに声を届けることが大事です。山なりというのは、弧を描くように声を届けるという意味です。

この類似事例が、飲食店で席を案内されるときに見受けられます。
「こちらにどうぞ」と席を指定されることがあります。1人で飲食店に入ると、まず、カウンターか、2人用の小さいテーブルに強制されることが多いです。
「こちらのお席でお願いできますか?」とお伺い形にするだけで、印象はかわりますが、「こちらでお願いします」と言われるのも気分のよいものではありません。

このあたりは、そんなに厳密に使い分ける必要は実際ないのだと思いますが、命令形を使われる方には、話し方が上から目線だったり、笑顔がなかったり、声が一本調子で強かったりすることが多いです。
話し方は、その人の印象を決める手段なので、声を柔らかく届ける話し方を習得することは、いろいろな場面でプラスになると考えています。
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2 コメント

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いつも意識しないと (富岡淳)
2015-11-13 16:42:48
鴨志田先生、ブログ興味深く拝読しました。やっかいなのは、自分の話し方がどうなっているのか、自分では客観的にわかりづらいということです。だから「今の言い方、きつかったかな?」とか常に振り返っていないと良くならないのだと思います。日々気をつけていきます。
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客観しは難しいですね。 (鴨志田)
2015-11-13 17:11:56
富岡さん、有難うございます。そうですね。自分では気づきにくいものです。私は、ボイトレで、宮崎先生からフィードバックをもらうこともあります。また、宮崎先生のプロの話し方をを聞いていると、すごく参考になります。あとは、ブログに書いたように、他人の言い方を聞いて、ふと我にかえるでしょうか。はっとすることが多いです。そういえば、独立以来講師の仕事をずっと続けてきましたが、5年目に、自分が受講生側に座る機会をもったときに、講師を見ていて、自分は、どのように見えるだろうかととても気になりました。
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