あまでうす日記

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神奈川県立近代美術館鎌倉別館で「美しい本―湯川書房の書物と版画」展をみて

2023-03-27 13:50:39 | Weblog

 

蝶人物見遊山記第360回&鎌倉ちょっと不思議な物語第441回

 

 

私は美学に暗く、デザイン音痴で美的生活に縁遠い人間なのですが、もはや本の域を脱して美術工芸品というべき美麗本の数々を眺めて、思わず「これはこれは」と溜息の2つ3つも漏らさずにはいられませんでした。

 

出品作家は、加藤周一、大岡信、谷崎潤一郎、堀田善衛、小川国男、塚本邦雄、車谷長吉、三浦淳史、柄澤齊、白洲正子、村上春樹、杉本秀太郎等々と多士済々ですが、どの作家、詩人、随筆家のどの書物の装丁、挿画にも、当代一流の作り手が駆り出され、完成品は、はなから限定された稀覯本であるしかない、いわば好事家の世界の逸品中の逸品です。

 

湯川書房の湯川成一氏は、1937年に生まれて大阪、次いで京都に店舗を構え、2008年にガンで71歳で他界されたそうだが、彼の仕事は、もはや二度と帰らぬ出版世界の栄光の頂点で、永遠不滅の光彩を放っていえばいえそうです。

 

 大江氏の健三郎さん死んぢまいイーヨー今ごろどうしているか 蝶人

 

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