Selfdestruction Blues / Hanoi Rocks (1983)
ハノイ・ロックス(Hanoi Rocks)が現役の間に発表された編集盤。内容はシングル等を収録したれっきとした編集盤だが、日本では当時からオリジナル・アルバム的な扱いをされていたよう。自分はリアル・タイムでは後期しか知らないが、彼らの日本盤アルバムはオリジナル盤とジャケットも違い、確か発売日もずれていたはずなので少々混乱した覚えがある。
そもそも自分は彼らの音楽を聴く前に(正確に言うと聴いていたけれどまだ彼らだとは認識していなかった)、容姿を見て「ヘヴィーメタル」と勘違いしていた。何しろまだ80年代ロックやポップスにどっぷりで、ジャンルの違いなんてよく分かっていなかった時期。同級生の服部君に勧められた時も見た目で「オレ、へヴィメタ聴かないんだ…」と一度断ったくらい。服部君が「聴いてみれば分かるよ、へヴィメタとは違うって」と言ってくれたからこそ、その後聴くようになったのだ。今だったらヘヴィメタじゃない事はすぐ分かるが、当時は今のように映像とバンドの情報が同時に入ってきていた訳ではないので、まず雑誌に掲載された写真やアルバム・ジャケットでアーティストを判断することが多く、なかなか自分の好みの音楽を探すのは大変だった。その後すぐにミュージック・ヴィデオが流されるようになるが、これもまだまだ番組は少なかったので取り上げられるアーティストは限定的。じっくり音楽とだけ向き合っていた幸せな時代とも言えるが…。
マイケル・モンロー(Michael Monroe)のヴォーカルは不安定でひっくり返ったりしているし、多用されるお約束のコーラスもどちらかというと「素っ頓狂」(笑)。よくボツにならなかったものだ…。構成もやはりバラバラな印象で、アルバムとしての完成度という意味ではもちろんいまひとつだが、それでも彼らのかっこよさ(演奏の稚拙さも含めて)は充分に伝わってくる。ハノイ・ロックスの様々な音楽面が見て取れるので興味深い。もちろん初めてハノイ・ロックスを聴く人には勧められない。個人的には初めての人にはマーキー・クラブでのライヴをお勧めする。
ブックオフにて購入(¥250)
- CD (1994/5/25)
- Disc: 1
- Label: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント