かの高名な「すきやばし次郎」には支店がある。ひとつは六本木ヒルズ店。これは本店のホームページにもリンクされている。だが、そこでは全くリンクも紹介もされていない店があり、そのひとつは豊洲店。そしてもうひとつが今回訪問した日本橋の高島屋の中にあるこの日本橋店だ。この2店がどういう扱いなのか分からないが、なんだか線引きをしているようで不思議。もちろん値段も内容も全然違うので訪問する際は注意が必要。
昭和8年建築の「高島屋日本橋店」、百貨店建築初の国の重要文化財だ ↓
「すきやばし次郎 日本橋店」は高島屋のテナントなのでいつでも入れる気軽さがある。しかも建物は国の重要文化財だ。もちろん予約も必要ないし、営業時間もデパートに準じていて、中休みもないはず。なので半端な時間にちょっと鮨を摘まみたいが、回転寿司なんか行きたくないなんていう時には意外と便利。日本橋だから東京駅にも近いので、新幹線に乗る前にちょっと、なんていう使い方も出来る。今回はまだ他の店が開いていない午後の遅い時間、まさにそういう感じで店に入った。
半端な時間だけあって先客は一組だけ。1人だったがカウンターでなくテーブル席に通された。数少ないメニューの中から「特選にぎり」を注文。漬け場では男性が2名調理していて、奥にも1人居るようだ。テーブル席からは残念ながら手元を見る事が出来ない。自分は鮨を喰う時に握り手の所作を見るのが好きだからちょっと物足りない。でもデパートという場所柄、客が少なくてもカウンターには案内しないのかも。程無くしてきれいに皿に盛られた握りが運ばれる。白身、烏賊、鮪2種、イクラ、貝(小柱)、小肌、穴子、玉子が乗っている。特長的なのはその握りの形で、どれもかなり長細い。本店の鮨は本でしか見た事がないのだが、ここまで細くはなかったはず。本店のHPにはこだわりとして「人肌にかぎる」と書いてあるご飯だが、これも人肌ではなく冷めたもの。そういう伝承はしていないようだ。酢締めの小肌なんかは結構好みの締め加減だし、柔らかく煮られた穴子もツメがしつこくなく悪くない。軍艦は正直海苔が今ひとつ。でもこの値段なら特に不満はないかな。もうひとつ上の値段の特選盛り合わせにすれば、海老と雲丹と鉄火巻きが入るようなので1,000円高くても上の方にすれば良かったかも。
「すきやばし次郎」と名乗っている以上、どうしてもある程度期待してしまうが、看板が関係なければそこそこ利用価値のあるお店ではないだろうか。まさか本店の代わりとして利用する人はいないだろうと思うが、デパートに買い物に来たおばさま達には誤解されて、全然大したことない、なんて言われてしまいそう。実際自分の母はそう言っていた(笑)。(勘定は¥3,150)
東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋タカシマヤ 4F
(次郎日本橋 すきやばし次郎日本橋 次郎 日本橋 日本橋店)