Mechanical Animals / Marilyn Manson (1998)
どうしてこのアルバムをリアル・タイムで買わなかったのか覚えていないが、前作で躍進したマリリン・マンソン(Marilyn Manson)の98年発表のアルバム。前作と同じNothingレーベルから発売されているが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)のトレント・レズナー(Trent Raznor)とは袂を分かっている。トレント・レズナーとの確執は色々取り沙汰されたが、その辺のゴタゴタがNINファンの自分にとってのマイナス・イメージとなったのかな。それでもシングル・カットされた9などのPVはよく見た覚えがあるから気にはしていたんだろう。こうして改めて聴いてみると、音作りといい、コンセプトといい、素晴しいクオリティで聴かなかった事を軽く後悔。
マリリン・マンソンはちょっとキャラが先歩きしてしまった事と、この後のキャラ設定のエスカレートぶりとゴシップが激し過ぎて、マスの消費速度も早く、音楽的な評価がおざなりにされた感がある。もちろん人気もあり、話題にもなっていたが、少なくとも音楽的には充分な評価はなかったのでは。自分がそういったゴシップなどに辟易してこのアルバムを手に入れなかった事自体が当時の彼が大衆に置かれた状況を示していると思う。本来はこういう音好きだもん。テーマを掲げてアーティストがコスチュームに身を包み、ストーリーにそわせた曲を並べるのはまさに「グラム・ロック」の手法。曲によってはソウル・ミュージック的な要素も含んでいて、まさにボウイ(David Bowie)っぽい。オルタナティヴ全盛時代のニュー・グラム・ロックとして見直しました。
中古店にて購入(¥189)