今回泊まった宿はお茶の水にある「山の上ホテル」。様々な客や著名な作家との逸話を残す老舗のホテルで、その歴史は本にも描かれている。以前からぜひ一度と思っていたが、仕事で東京に来た場合の定宿はいつも東銀座ばかりだったので、今回はわざわざ予定を延長して予約をした。
そこでの朝食は和朝食の場合、天麩羅の有名店「天ぷらと和食 山の上」を選ぶことが出来る。こちらで食事をした事はまだ無いが、ここで出される朝食も有名なので楽しみにしていた。ものの本によるとこの和朝食は作家の池波正太郎氏が当時の料理長・近藤文夫(現・「てんぷら近藤」主人)氏に進言して作られたものとの事。ルームサービスを選ぶ事も出来るが、本館にある店に入ってみた。(写真はホテル北側にあるエントランス)
こじんまりとした店内はまだ早い時間とあって先客は1人。着物姿のお給仕さんからカウンターを案内され、お粥とご飯からご飯を選択し、しばし待つ。膳に並べられて運ばれてきた和朝食は煮物、焼物などが少しづつ10品目程、それに味噌汁と香の物が付いたもの。朝食にあって欲しいものが不足なくしっかりあるといった感じ。どれも落ちついた味付けで、胃にもやさしく、暴飲食しがちな出張時の朝の身体にはうれしい。自分もこういうものが好きになる歳になってきた。ご飯だけは普段からその都度ガスで鍋炊きしたいいものを食べ慣れているので、いまひとつで、もう少し艶のあるものが良かったが、朝食としての内容は充分に満足出来る内容だった。 (勘定は宿泊費に含まれるが朝食のみで¥2,500程度)
東京都千代田区神田駿河台1-1 山の上ホテル1階
※山の上ホテルの閉館に伴い閉店しています