The Isle Of View / The Pretenders (1995)
プリテンダーズ(The Pretenders)のアンプラグド・アルバム。当時MTVの人気プログラムだった「アンプラグド」は音楽業界を席巻し、みなこぞってアコースティック楽器演奏主体のアルバムを作った。これもそんなうちの一枚(ただしMTVのプログラムではない)。アンプラグドのアルバムは観客を近くに入れてスタジオで演奏する事が多く、しかもファンクラブなどのコアなファンや抽選で招待することが多かったらしく、どうしても観客の煽りや歓声が耳についてしまう。もちろん制作側に盛り上げるように要請されているんだと思うけれど。アーティストのリラックスした語りや観客への投げかけは微笑ましいが、音楽アルバムとして聴くと少々鼻につく場合も多い。この作品が発表された頃になるともうブーム自体はそろそろ下火になる事もあってか、ここではバンド・メンバー以外のクラシックな弦楽器を入れて趣向を変えている。
姉御肌のクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)はロックしている時がもちろん一番かっこいいが、ファースト・アルバムの頃からスローな曲でもその声の良さが存分に発揮されていた。だからここで演奏される曲でもしみじみと「いい声だなぁ」と唸ってしまう。またあの鋭い眼つきや男勝りな雰囲気としっとりとしたラヴ・ソングとのギャップがいいんだよね。ただ選曲やアレンジに関しては想定の範囲内。もうちょっとカヴァーとかで意表を突いてもいいのに…。クリッシーの声音の良さ再確認アルバムとしては十分だろうか。
常々このタイトル「The Isle Of View」が何を意味してるんだろうと思っていたが、何の事はない、声に出して読むと「I Love You」になるんですね(←気付くの遅すぎ)。
中古店にて購入(¥294)