名古屋の古い商店街「円頓寺(えんどうじ)商店街」の外れにある昭和39年創業の天ぷら屋「天寅」。店構えに風情があり、なんともいい雰囲気なので以前から気になっていたが、平日の昼の営業だけのようなので、なかなか行く機会がなかった。名駅で仕事の用事があった際に、昼食をとる時間が出来たので、少し歩いて訪問してみる。下町の雰囲気を残し、所々に屋根神様が残る狭い路地を抜けて、円頓寺商店街を横切ったところに店がある。こちらの箸袋には「円頓寺金刀比羅横町」と書いてあったので、昔はこういう呼び名で商店が連なっていたのだろう。
暖簾をくぐると、小さいカウンターに、テーブル、小上がりという小さな店だけれど、店内にはほぼ満員の客。かろうじてカウンターが空いていたので座らせてもらう。小さい暖簾がかかったカウンター前の厨房では主人が次々と調理をこなしていて大忙し。調理が終わった品から給仕の女性に「〇〇どうぞ!(○○=料理名)」と渡している。揚げる油の音と香りでいやがうえにも食欲が刺激され、待ちわびていると、しばらくして自分の天丼(並)が味噌汁と漬物と一緒に運ばれた。
浅めのプラスチックの丼に入った天丼は海老が2つと鱚と紫蘇と海苔。多めのつゆで衣の表面が少し柔らかくなった天ぷらをご飯と共にがっつく。旨い。濃いめの味付けの天丼には赤だしの味噌汁が合うなァ。ご飯の量はさほど多くないので、あっという間に平らげた。勘定を済ませると、「お待たせしてすいません」とご主人。いえいえそんなに待ってないですよ。(勘定は¥730)
↓ 写真は通り道にあった中村家の屋根神様
※昨年より「しばらくの間休みます」の貼り紙がありましたが、残念ながら閉店されたようです(平成30年4月現在)
天寅 (てんとら)
愛知県名古屋市西区那古野1-6-22
( 那古野 円頓寺 円頓寺商店街 天婦羅 天麩羅 てんぷら 屋根神様 閉店 廃業 )