名古屋市役所の裏あたりにある「名古屋市市政資料館」(旧・名古屋控訴院)の歴史ある重厚な建築(重要文化財)と展示を見学したあと、道を挟んだ所にある老舗麺類食堂「山田屋」へ。自転車で行ったのだが、この日は晴れているのに小雨がぱらつく変な天気。店の前に自転車を停めると、主人が出ていらっしゃって、店の前に並んでいる「ざるそば」と書かれた木製看板のひとつをサドルの上に乗せてくれ、雨に濡れるのを防いでくれた。この心遣いでもうこの店が大好きに。なんともいい雰囲気の店先。「うどん」と書かれた店の表看板は古くなさそうだし、入口はサッシだが、それでも貫禄充分で、風情ある佇まいを残している。創業は昭和5(1930)年との事。
暖簾をくぐると蛍光灯が照らす土間にテーブル席。奥が座敷(と言ってもまるで普通の居間のよう)、左側が厨房になっており、歴史ある麺類食堂でよく見る配置。厨房の奥には現役の羽釜とタイルで囲った竈(くど)が見える。土間に置いてある水屋箪笥や岡持ちも年月を重ねた風格が滲み出ている。素晴しいなァ、この空間。テーブルの上にあったプリントされた品書きを見ると、「志の田」や「木ノ葉」という東海地区でも少なくなってきた品にはしっかり説明書きがあった。もうそれらが何か知らない人も多くなっているんだろう。さっそく壁に貼られた品書きの中からうどんの小盛を注文した。
あっという間に調理が終わり、小さめの丼が主人によって運ばれる。まず、つゆを一口…旨い。ほっとする味。麺は喉越しで味わうタイプ。おやつとして食べたので控えめに小盛にしてしまったが、これなら1人前でもするっと食べられただろう。しみじみと旨かった。次は何を食べようか。いろいろ食べてみたいものがいっぱい。でも次はやはりあの羽釜で炊いたご飯を使ったものを食べてみたいな。(勘定は¥330)
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↓ 写真は名古屋市市政資料館(左)と、向かいにある弁護士長屋(現在は司法書士がほとんどのよう)
愛知県名古屋市東区東外堀町10