ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Destroyer / Kiss

2016年09月12日 | ハードロック・へヴィーメタル

Destroyer / Kiss (1976)

Kiss(キッス)の最高傑作と評されることもある通算4枚目のアルバム「Destroyer(邦題:地獄の軍団)」。最近「Destroyer-Resurrected」と題したリミックス盤が出て話題になった(未聴だが、別物との噂も)。プロデューサーにボブ・エズリン(Bob Ezrin)を迎えて、SEを使ったり、オーケストラを使ったりと新機軸に挑んでいる。ボブ・エズリンの関与した作品と言えば、自分はアリス・クーパー(Alice Cooper)の「Killer」(1971)や、ルー・リード(Lou Reed)の「Berlin」(1973)といった傑作アルバムで聴いている。そちらを知っているので、アルバム冒頭のギミックでも驚きはなかった。

アルバム収録曲の中でも1「Detroit Rock City 」、3「God Of Thunder」、7「Shout It Out Loud」、9「Do You Love Me」などは、ほぼ毎回演奏される定番曲となっていることからも、このアルバムの充実度が分かる。ただセカンド・シングルが、5「Flaming Youth」だったのは知らなかったので驚いた。何でこの曲が?(明るくて分かり易い曲だけれど…)。シンプルでストレートなロックンロールから脱皮しようとしたアルバム製作は、ボブ・エズリンの厳しさもあって色々な衝突を生んだらしいが、現在ではメンバーも”通らなければならなかった道だった”と認めているようだ。こうして遡って聴いていると、これでも充分にシンプルでストレートなロックンロールなので、特に当時のファンが戸惑ったかどうかは知らないのだが、実際にはどうだったのだろう。

70年代の様々なアーティストの他の名盤と同様、このアルバムも全編で40分弱という尺。この尺っていうのも重要だ。CD時代の不幸は、70分収録出来る為にアルバムの尺の標準を伸ばしてしまったこと。小品を詰め込んで内容が薄まったアルバムを3~4年に1度出すよりも、凝縮された濃厚な内容のアルバムを1年か、2年に1度出した方が絶対にイイのだ。

中古店にて購入(¥380)

  • CD (2011/10/12)
  • Disc : 1
  • Label : USMジャパン

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする