ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

可ん寅 @名古屋市中区・錦

2016年09月25日 | 名古屋(中区 老舗)

錦(にしき)の老舗ふく料理店「可ん寅(かんとら)」で昼食。昭和9年(1934)創業とのこと。賑わしい錦三(きんさん=錦3丁目の意)の中にあって、こちらの佇まいだけは相変わらず凛としている。高級店なので少々入りづらい雰囲気もあるが、ちゃんと昼の品書きは表に出ているので安心。中に入ると階段スペースがあり、その奥の扉の中がカウンター席になっている。外の喧騒を忘れてしまうくらいの静かで落ち着いた空間。先客は年輩の女性客2人のみ。若い料理人が黙々と調理を続けている。ほうじ茶とおしぼりが置かれ、品書きの中から「鱧雑炊膳」を注文した。こちらはふぐ料理の店なので通常はふぐ雑炊だが、夏場のみ鱧(はも)に変わるそう(訪問8月)。料理人が鱧を捌いて、骨切りをする「ギリッ、ギリッ」という音が静かな店内に響く。

まず小鉢が置かれた。ジャコとひじきの和え物。そして次は八寸。甘露煮や海老、玉子焼などが入っていて、どれも上品な味付け。普通ならこれで酒を呑まないことは考えられないが(笑)、用事があるのでグッと我慢。そしてやや大きめの茶椀にたっぷりと盛られた雑炊が登場。玉子でとじられた雑炊には海苔がかけられ、鱧の身、皮の部分、刻み葱が見える。れんげですくってひと口。鱧の風味を殺さない程度の淡い味付けで、しみじみと旨い。添えられた香の物もさすがの質。雑炊の量も充分にあり、ゆっくりと滋味を楽しんだ。デザートはいくつかの中から選ぶことができ、中から抹茶アイス最中を選んだ。ここでさっと緑茶に替えてくれるのも気が利いている。詰めたてとあってサクサクの薄い最中種(皮)は、膨らんだふぐの形をしていて可愛らしい。中には抹茶アイスとあんこが入っており、冷たいアイスが、雑炊で熱くなっていた口とお腹をクールダウン。これはイイなァ。満足して店を出た。もうふぐ雑炊になっているはずだからまた行こう。誰か夜にここで接待してくれないかナ(笑)。(勘定は¥1,728)

 

ふく料理 季節料理 可ん寅

愛知県名古屋市中区錦3-22-12

 

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