ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

とらや本店 @岐阜県岐阜市

2016年09月14日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

「虎屋(とらや)」という屋号の和菓子屋は全国各地に数多あり、最も歴史ある屋号のひとつ。元を辿るとどちらの始祖も京都の店に集約されるのかどうかは知らないが、何しろ歴史のある店が多い。この岐阜市の「虎屋本店」も創業は嘉永元年(1846)だとか(ちなみに京都のとらやの創業は室町時代後期まで遡る)。岐阜市内にも加納に分店があったり、同名の店が柳ヶ瀬や長良にもあるが関係は不明。建物は大きなビルになっているが、道路に面した店舗1階のしつらえは古く風格もある。店に入ると誰も見当たらなかったが、声を掛けると奥から年輩の女性(女将だろうか)が出ていらっしゃった。ガラスショーケースに菓子が並んでいるが、その上にも値打ちな菓子が並んでおり「わらび餅」がパックに入っていたのでそれと、「献上腰高饅頭」という菊花紋章の絵柄の付いた饅頭、それに「和らぎ」という最中を選んで購入した。

家に帰ってお茶を淹れ、嫁と味見。わらび餅は餡の入っていないシンプルなもの。きな粉がたっぷりとかかっていて、ぷるぷるとした弾力はまだ失われていない。蜜などは付いておらず、きな粉にまぶされた砂糖の甘さでいただく。形は不揃いで食感がいい。「和らぎ」は円型の典型的な最中。中はつぶ餡でしっかりとした甘さ。「腰高饅頭」は、皮に意外な硬さがある。その皮もしっかりと甘く、むしろ落雁を柔らかくしたような不思議な食感と味だった。包み(写真下)を見ると明治天皇の大婚の際に献上されたようだ。「腰高」はこんもりと盛り上がった饅頭の形から来ているのだと思うが、その食感にちょっと意表を突かれて、しっかり味わう前に食べてしまったので(笑)、もう一度買ってみないと。(勘定は¥700程)

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↑ 店舗裏手の旧街道沿いで見つけた古そうな建物(建築詳細不明)。きれいに補修・塗装がされているが、どことなく古い建物が持つ柔らかい味を残している。

 


 

御菓子処 虎屋本店 (とらや本店)

岐阜県岐阜市金園町4-23

 

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