ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Adventure / Television

2016年09月08日 | パンク・ニューウェーヴ

Adventure / Television (1978)

テレヴィジョン(Television)の2枚目にして第1期最終作品。このアルバムをもってバンドは解散し、90年代に復活するまでグループでの活動は封印される。ファーストはロック史に残る名作。その陰に隠れてしまっている作品だが、どっこいこちらも好作品。というかほとんどの曲はファーストと同時期に完成され、ライヴで鍛え上げられてお馴染みのトラック(当時)なので、完成度は高い。ファーストと比べるとカドが取れた若干の柔らかさや、ある種のポップなまとまりを感じないこともないが、間違いなくテレヴィジョンらしい音空間がこのアルバムでも記録されている。もちろんアナログ、CDで既に保有しているし、先日はこのアルバムのアウトテイクを収録したブートレグ(海賊盤)まで購入したが、こちらは2003年に発売されたリマスター音源。そして以下のボーナストラックが追加されていて、それだけ目当てで購入した。

09  Adventure
10  Ain't That Nothin' (Single Version)
11  Glory (Early Version)
12  Ain't That Nothin' (Instrumental)  

9はアルバム・タイトルと同名曲で、ライヴではすでに演奏されていた曲。何故アルバムへの収録を見送られたのか分からない位の完成度の曲。他にはヴァージョンを3曲。インストの12でも、ロック然としたアレンジだがテレヴィジョンの特徴は充分に発揮されていて、トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)のあの裏返ったような独特なヴォーカルが無くても、2つのギターが充分に”語っている”のはさすが。アルバムの最終曲「The Dream's Dream」は、個人的にはファーストの名曲「Marquee Moon」に匹敵する作品にも成り得ただろうと思う佳曲。「Marquee~」にあったピリピリとした緊張感が欠けているし、終わり方が中途半端なので、もう少しスタジオで何とかなった気がしないでもないが、印象深いギターフレーズや、夢見るような歌詞など、彼ららしさがいっぱいで、しみじみとと心に沁みる良さがある。ブートで聴くライヴ・テイクではもっとずっと良いのだが…(あと1回メインフレーズをリフレインしてくれるアレンジならもっと…)。こうして聴いていると彼らの曲は、トムとリチャード・ロイド(Richard LLoyd)の2本のギターに隠れがちだが、フレッド・スミス(Fred Smith)のベース・ラインがとても重要だということがよく分かる。本編はアナログや以前のCDと比較して粒立った音像だが、やり過ぎ感は無く、リマスターも成果が出ている。

amazonにて購入(¥940)

  • CD (2003/11/10)
  • Disc : 1
  • Format: Original recording remastered, Import
  • Label : Elektra / Wea

 

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