From The Vaults / 四人囃子(2001)
From The Vaults 2 / 四人囃子(2008)
日本の伝説のロックバンド「四人囃子」の発掘音源をCD各5枚づつにたっぷりと収録したデジパック・ボックス・セット計10枚。ある中古CD屋で、パッケージの傷みがひどく、CD盤面に傷も多いという事で安値で投げ売りされていた。すでに名盤「一触即発」(’74)は聴いていたのですごく興味があったが、何と言ってもこちらはほぼ初心者。同時代に聴いてきたファンでないのはもちろん、後追いだって遅すぎるぐらいだったので、手に取ったもののすぐさま購入という訳にはいかず、レジには向かわず店を出た。
ただ何日経ってもふと思い出してしまう(笑)。←これ「買え」のサイン(自己基準)。もしまだ残っていて、検盤して納得したら買おうと、結局1周間後にもう一度店を訪問する。結果…まだ残っていた。頭の中で(¥1,280×2)÷10=¥256(/枚)なんていう意味の無い計算をしたりして自分を納得させ(笑)、レジへ。ただ検盤は…すっかり忘れていた(苦笑)。帰ってから包んであったビニールを剥がす。オォ、かなりの傷み…。盤面も無残…。冊子などは全部揃っているが、こんなマニアックで安くない商品(計¥20,000)を買う人がCDをこんな風に扱うなんて…なんて奴だ。でも幸い聴くには問題無く、ひと安心。
パート1はライヴ音源中心(収録内容はこちらのサイトに詳しい)。最初期の1972年から再結成後の1989年のライヴが中心で、その他に未発表スタジオ音源もある。初期のライヴを聴いてみても日本人離れした、早熟なバンドの力量が見て取れる。ハイ・レヴェルですごいなァ。
どういう経緯か知らないが別会社から発売されたパート2は、何といってもあの名盤「一触即発」や正式デビュー前の「ある青春/二十歳の原点」を含むスタジオ音源の未編集素材+さらなる発掘ライヴ音源。あの完成度の高いアルバムが、スタジオでのつぎはぎ作業で作られたものでははなく、しっかりとした構成で演奏されていた事実を知るだけですごい。
しかしよくこんな状態のマスター・テープが残っていたなと感心。当時の録音テープは劣化して癒着してしまったりとトラブルが多いと聞く。デジタル・リマスタリング作業もある意味"職人技"の世界だというから日本にも優秀なエンジニアがいるんだろう。海外の60~70年代に活躍したアーティストはどこまでやるのっていうくらい、微に入り細に入りアーカイヴが掘り尽くされているが、日本のアーティストでここまでマニアックなのはまれ(たぶん)。なかなかエポック・メイキングなボックス・セットだと思う。それだけの魅力を持ったバンドだったということ。まだ通して何回か聴いただけだけれど、これからじっくり聴き込もう。
中古店にて購入(各¥1,280)
- CD (2001/12/21)
- Disc : 5
- Format: Limited Edition
- Label : 有限会社PSC
- CD (2008/5/24)
- Disc : 5
- Format: Box set, Limited Edition
- Label : ダブルデア・パブリッシング