愛知県春日井市と岐阜県多治見市の県境に存在する近代化産業遺産「愛岐トンネル群」(JR東海中央本線・定光寺駅近く)の年2回の公開日(※)に合わせて予定を立てていたが、あいにく当日は雨模様。前日には保存委員会のHPに中止と書かれていたが、朝起きて再確認したら記述が消えており、曇天でまだ雨は降っていなかったので、念のため保存委員会に電話して確認すると、各種イベントは中止だがトンネルは一応見ることが出来そうだった。一か八かで出発。現地に駐車場が全く無いのは知っていたので雨具を積んでバイクを走らせる。幸い現地では小雨がパラついていたものの、人出がかなり少ないこともあってゆっくりと見学出来た(写真下)。見学が終わった頃に本格的に降り始め、昼食を摂る為にカッパを着込んで、バイクで多治見市内へ。
※公開は12月4日(日)までの予定です。
たどり着いたのは多治見駅近くの「こもり食堂」。中華そばの看板が掲げられている麺類食堂だ。店の間口は広くないが、奥に長くなっていてテーブル席が並んでおり、一番奥に厨房がある。主人と奥さんの2人で賄っているようだ。すでに先客が何組も居て料理の出来上がりを待っていた。壁に貼られた品書きにセット物が用意されていて、丼ぶり物とギョーザのセットって何だか面白いナ、と「かつ丼・ギョーザセット」を注文した。テレビの音だけ聞きながら調理を待つ。その後も客が続々と入ってきてほぼ満席の盛況になった。
セットが運ばれた。ギョーザは5つ。テーブルに置かれたギョーザのたれを皿のくぼみに垂らしていただく。皮から手作りだそうで、もちっとした皮で具がしっかりと包まれている。食べてみると肉もたっぷりだが、独特の風味もあって、旨い。これなんの風味だろう?香草のような野沢菜のような…。もっと食べたいなァ。かつ丼はオーソドックスな”かつ煮”タイプ。丼ぶりは小さめに見えたが、ご飯はしっかりと入っている。つゆは少なめ。一味を振りかけたり、小皿のかぶの漬物を間に挟んで平らげた。次は頼んでいる人が多かった中華そばにしようかな(もちろんギョーザも付けて)。(勘定は¥850)
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↓ 念願の「愛岐トンネル群」を見学。明治33年(1900)に開通した国鉄中央西線が昭和41年(1966)に廃線になり、トンネル群はいつしか忘れ去られており、40年ぶりに発見された。こんな緻密な煉瓦造りのトンネルが、岐阜県境にまたがって13基も残っていて、地元の「愛岐トンネル群保存再生委員会」が中心となって年2回公開されている。展示や整備は手作り感に溢れていて苦労が偲ばれるが、それにしても明治の人達の仕事ぶりには瞠目する。足場の良くない山と川に挟まれた急斜面にこんなものを作ってしまうのだから。しかも当時使えた道具はダイナマイトとツルハシとスコップだけだ。見学出来るトンネルは3号、4号、5号、6号(※)の4つ(岐阜県側は何も活動していないのかな?)。今年、3号、4号トンネルと、暗渠が国の登録有形文化財に指定された。トンネルの天井には蒸気機関車の排気ススの跡が残る。険しい山肌だったことが幸いして40年も人の手が入らず、草木に紛れて奇跡的に良好な状態で現存したのだとか。いやぁ、素晴らしい。
※ 正式名称は「旧中央線玉野第〇隧道(ずいどう)」。
↓ 崖下から覗くことが出来る排水を目的とした暗渠(あんきょ)(※)は、陽が当たらない場所なので、明治の頃の煉瓦の色そのままだそうだ(写真下左は立坑)。
※ 正式名称は「旧中央線笠石洞暗渠(かさいしほらあんきょ)」
↓ 経路にある「三四五(みよい)の大モミジ」(写真下左)と脇を流れる玉野川(庄内川)の紅葉(写真下右)。雨のせいで川の水は乳白色になっている。
↓ 定光寺駅近くにある大正10年(1921)に灌漑対策と発電所への導水を目的に造られた「玉野堰堤」。
岐阜県多治見市本町3-2
※閉店されているようです(令和5年現在)
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