ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

岩野屋 @名古屋市北区・清水 (※閉店)

2016年11月09日 | 名古屋(東区・北区 老舗)

どなたかの(失念)ブログで店先の佇まいの写真を拝見し、絶対に訪れてみたいと思っていた北区清水にある麺類食堂「岩野屋」。創業は昭和21年(1946)頃だとか。清水駅の北を少し入った路地に店がある。店の前の路地では子供が遊んでいて、思った通りグッとくる佇まい。夏の白い暖簾が木戸や格子に映えている。店に入ると土間のテーブル席と小さい小上がり席が2つ。店は老夫婦が賄っており、この日の先客は1名。テーブル席に腰を下ろし額に入って壁に掛けられた品書きを眺める。大きく「天南丼」も書いてあったが、天ぷらの提供を止めたようで、天丼と共に消されている。ご飯の気分だったのだが、初訪の店でたいてい選ぶカツ丼ではなく、珍しく「木の葉丼」を注文。壁に所狭しといくつも貼られたカレンダー(笑)や、調理場を仕切るガラス木戸が何ともいい味を出していた。

しばらくして「木の葉丼」が運ばれる。葱、花麩、縁の朱い名古屋蒲鉾、椎茸、人参、揚げそして鶏肉が少し。上から刻み海苔がかかっている。人参って珍しいナ。椎茸以外は「志乃田丼」との差異があまりない具の内容。その椎茸もあまり大ぶりでないもの。東海地方の麺類食堂では定番の「志乃田丼」と「木の葉丼」。歴史ある店の廃業が多く、提供する店も減少の一途だろうと思うが、店ごとに仕様も大きく違う。それにしても、どの店もたいてい木の葉丼の方が値段がずっと高いのはなぜだろう(こちらも130円もの差がある)。具は甘めの味付けのつゆで煮込まれていて、つゆはたっぷりめ。それぞれの具の味を楽しみながら食べ進む。食べていくうちにご飯がつゆを吸って馴染んでくるのがまた旨い。添えられた漬物(たくあんと胡瓜)を間に挟んで平らげた。(勘定は¥630)

※令和3年7月末を以って閉店されました。

 


 

↓ 店のすぐ近くにある「白龍酒造株式会社倉庫」(昭和20年・1945・建造)。ひっそりとしていて稼働していないようだった。蔦が絡みついた煉瓦積みの建造物は煙突だろうか。

 

 


 

 

岩野屋

愛知県名古屋市北区清水2-20-4

 

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コメント (2)
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