ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

むらさきや (2) @名古屋市中区・伏見

2017年03月29日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋市内での用事がひと段落し、どこかで腰を下ろしたいと思っても、数多あるチェーン店には寄る気せず、わざわざ選んだのは和菓子の老舗「むらさきや」。栄近辺からブラブラと歩いて伏見へ。その”過ぎる”ほど素っ気無い外観では、和菓子屋、しかも営業中と気付かない人もいるかもしれない。でもこちら、茶道の盛んな名古屋でも昔から評判の店で、創業は昭和3年(1928)。店に入って簡素なショーケースに並べられた生菓子を眺める。ラインナップは変わるのだがいつも上生菓子が4~5種類、そして羊羹を挟んで中干菓子も4種類程。その中から「箙(えびら)の梅」と、中干菓子の「梅」を選んで、こちらで頂きたい旨を伝える。奥へどうぞと案内され、前回同様、狭い通路を通って一番奥の茶寮へ。

この日も先客は無し。ひっそりと静まり返った部屋にはテーブルがいくつかあるだけ。外には小庭が見える。そして抹茶と緑茶、それに注文した菓子が運ばれた。店の方は常駐しないのでたった1人、BGMも何も無い静かな部屋で頂く。何と言ってもこの空間が貴重。まずは抹茶をひと口頂き「箙の梅」を。ちなみに箙とは矢を入れる道具のことだそう。「箙の梅」という名前は能の演目から採られているようだ。酢漬けの牛蒡が巻いてある白餡の珍しい菓子。酸味が効いていて旨いが、牛蒡と周りの食感が違うので食べ辛く、ひと口は無理だし2つには割れない。これ茶席で出されたらアウトだな(笑)。「梅」は求肥と小倉餡。こじんまりとした丸型でちょこんと赤い点がつけられている。こちらの菓子はどれも華やかさは無く、はっきり言って地味だが本当に旨い。自分にしてはゆっくりとした贅沢な20分を過ごし、勘定してもらい表に出た。(勘定は¥885)

前回の記事はこちら

和菓子 むらさきや

愛知県名古屋市中区錦2-16-13

 

( 伏見 ふしみ 和菓子 和菓子処 御菓子司 生菓子 上生菓子 干菓子 中干菓子 ようかん 羊羹 茶道 茶寮 )

コメント
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