ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

キッチン・ゲラン @名古屋市中区・栄 (※閉店)

2018年04月21日 | 名古屋(中区 老舗)

平日の昼に栄に居ることが出来たので歩いて日曜休みのこちらへ。丸栄百貨店の裏手の路地にある洋食屋「キッチンゲラン」。次々と店が変わっていく界隈にあって昭和の雰囲気を色濃く残すこちら、創業は昭和28年(1953)だとか(未確認)。店はコの字カウンターだけでこじんまりとしていて奥が厨房になっているようだ。棚にはキープしてあるものだろう角ウイスキーが何本も並んでいて年季が入っている。女将さんだろうか年配の女性がカウンターの中で常連客と、昔この狭い通りであったという火事の話なんかをしながら談笑していた。何にするか迷ったが、ランチタイムはメニューを絞られている様子。店内に掲げてあったので外看板にも書かれていたカレーを、と「カツカレー」を注文した。すぐにお茶と水、それに紙ナプキンとスプーンが用意される。

テレビのニュースを見ながら待っていると、奥のコックコートの主人から渡された「カツカレー」が登場。細目のパン粉でしっかりめに揚げられたカツがカットされ、丸く盛られたライスにもたれかかり、その上から半分くらいにカレーがかけられている。福神漬けに加えて紅生姜が添えられているのが面白い。カレーの中の具材は形がなくなるほどに煮込まれていて、肉も繊維状になっているものが見えるのみ。さっそく一口。複雑な旨味とフルーティーな甘さが同居していて、食べ易くも辛い。古い店にしては意外にもしっかりとした辛さ。これは旨い。カツはロース肉。カレーがかかった部分と脂の甘さの対比が堪らない(どうしてカレーとカツはこんなに合うんだろう)。掻き込むスプーンは止まらず、あっという間に平らげた。次は「オムライス」か「ミートソース」か「ハヤシライス」か、それとも夜に単品でビールっていうのもいいなァ。(勘定は¥1,100)

※残念ながら閉店されていました(令和3年4月現在)

 

 


 

↓ 今年で閉店が決まっている「十一屋呉服店」として創業400年(!)、「丸栄」としても75年の歴史を持つ「丸栄百貨店。今は稼働していないが店内の2基のエレベーター扉に描かれたデザインは画家の東郷青児によるもの。壁面のモザイクタイル絵も貴重だし、あの村野藤吾が設計した建物なんだけど、やっぱり取り壊すんだろうなァ…。

 

↓ 屋上にある、丸に栄の文字が書かれた看板ももうすぐ見納めか(現在屋上はビアホールになっていて昼間は立ち入ることが出来ない)。

 


 

カレーライス・肉料理の店 キッチン ゲラン

愛知県名古屋市中区栄3-8-122

 

( 名古屋 なごや 栄 さかえ 女子大小路 ゲラン GUERLAIN ゲラン一八 マルエイ デパート 洋食 ランチ 近代建築 廃業 閉店 再開発 )

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