ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

佐野屋 @名古屋市北区・大曽根

2018年04月01日 | 名古屋(東区・北区 老舗)

名古屋市北部の交通要所、大曽根。戦前は花街、戦後は闇市から発展したという駅前の商店街は、現在「オゾンアベニュー」「オズモール」と呼ばれる商店街に生まれ変わっている。ただしこの商店街、大きな道路で分断され、その間に横断歩道もないという残念な状況で一体感がなく、何となく空々しい雰囲気になっているのは残念(その略歴はこちらに)。その駅に近い方の「オゾンアベニュー」にある創業昭和元年(1926)という老舗の酒屋「佐野屋」へ。こちら「立ち飲み(角打ち)」で有名。大曽根駅近辺にはまだ何軒かそういう店が残っており、日曜に開いているのはこちらのみ(のはず)。この日は後から嫁が車で拾ってくれる素晴らしい休日だったので店に入ってみた。

見た目は普通の酒屋。中に入っても棚に酒が並んでいるのは普通。けれどその奥には…コの字カウンターと壁際のカウンターがある酒場になっているのだ。店に入ったのは昼の開店後すぐの時間だったが、もう満員の盛況。スゲー。かろうじて壁際のカウンターに隙間があったのでそちらに陣取る。給仕の女性が数名で切り盛りしており、厨房はその奥。みな思い思いに酒をくらっているので、自分もそこらじゅうに貼られている品書きを眺め方針を決める。酒の種類は多いし、普通酒だけでなく生原酒から吟醸酒から色々取り揃えているのはさすが。もちろんビール、ウイスキー、焼酎、ホッピーと何でもござれ。まずはおすすめ地酒の中からすぐ近くの酒造「金虎」の純米吟醸(ひや・常温)で、つまみには「とん焼」を2本お願いする。そう、こちらの立ち飲み、乾きものだけでなく調理したつまみも充実しているのだ。居酒屋顔負け。カウンター正面に”切れ目”があるのでそちらでガラスコップの酒を受け取り、その場で支払う。

自分のとなりは30代位の女性1人客。明るい店舗とはいえオッサンばっかりの立ち飲みに勇気があるなァ。でも店の中で目立つそんなお姉さんには給仕の女性も親切なのだった。常連と思しき高齢のオッサン達にはチャキチャキとした客捌きを見せている。「とん焼のお兄さーん!」と呼ばれて受け取った「とん焼」はしっかりめの焼きで旨い。これが酒屋の片隅とは…、スゴイ。次はこれも隣の守山区の酒造「東龍」の純米吟醸(冷蔵)と「マグロ中落ち」を追加。つまみも本当に何でもあるので、自分が近くに住んでいたら廃人になること間違いなしだ(笑)。みんなサッと呑んで出て行くかと思いきや、意外と長っ尻(ながっちり)で、結局一番に勘定してもらったのは自分だった。

大昔、自分の親戚の酒屋(岐阜県内某市)が立ち飲みをやっていたことを思い出した。当時(幼稚園頃)は何で売場に酔っぱらった人達がたむろしているのか全然分からなかった(現在も酒屋は健在だが立ち飲みはもちろんずっと前に廃止)。やっと最近あれが立ち飲みだったと腑に落ちた。そういえば”角打ち”という呼び方を知ったのはまだ最近だが、その頃に東海地方でも”角打ち”なんて呼んでいたのだろうか? あの頃は酒臭いオヤジ達に閉口したものだったが…ハイ、今は自分が酒臭いです。(勘定は¥1,500程)

 


 

↓ 北区杉栄町の「城東園」という遊郭跡を散策。大通りに面しているいかにもという名のカフェー?「松竹」(建築詳細不明)、と並びの旧医院(名称・建築詳細不明)。その向こうは…ソープランド…。ここ普通に車が通る道路沿いです(笑)。

 

 


 

 

佐野屋

愛知県名古屋市北区大曽根3-13-13

 

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コメント (2)
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