ある日の夕方、早い時間に用事が終わったのでどこか近くでと寄ったのは岐阜市天神町の鰻の「喜多川」。創業して50年程だとか。いつもなら混み合う店も、まだ口開けの時間とあって先客は僅か。入ってすぐのテーブル席に腰を下ろした。この後には何も予定が無かったし、市バスを利用して移動していたので酒をぬる燗で出してもらい「うなぎ肝焼き(2本)」をお願いした。もう後客が入って来ている。まず徳利に入った酒(銘柄知らず)と猪口が出された。少し経って「うなぎ肝焼き」が登場。しっかりめに焼きが入って、ざっと5つ位が串に刺さっている。まずはひと口。濃いタレが絡まった肝はしっかりとした苦みとタレの甘味が合わさっている。それを酒で追っかける。「ふぅ」と思わず口に出してしまうシアワセな時間。旨い。残りはゆっくりと飲(や)った。
呑んでいる途中でお願いしておいた「うなぎ丼・並」が到着。昨今は鰻が高騰してどんな店でも”並”で野口英世が2、3枚必要なのに、こちらの値付けはかなり安い(たかが丼物1杯でコース料理並の値段ってすごいナ、よく考えたら…)。なのに吸物にはちゃんと肝が入っていて嬉しい。やや細めに包丁が入れられた「うなぎ丼」の鰻は濃いめのタレで焼かれていて、焼き加減も上々。身の部分はふわっとしていて口当たりもいい。ご飯の量は十分。タレは下に溜まるほど多め。テーブルに置いてあった山椒を使うが、こちらはやや風味が飛んでいてあまり効かず。山椒好きが高じて自宅では庭で採れた山椒の実を乾燥させてミルで挽いて都度使っているので、どうしてもその鮮烈な香りと比べてしまう。タレの量だけちょっとバランスが良くなかったが、しっかり吸物も飲み干して勘定してもらった。満足。(勘定は¥2,500程)
うなぎ・川魚料理 喜多川 (※喜多は変体仮名)
岐阜県岐阜市天神町29
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