Ellington Uptown / Duke Ellington (1952)
デューク・エリントン楽団(Duke Ellington And His Orchestra)が1952年に発表した「Ellington Uptown」。ストーンズ・ファンの自分にとって、このアルバムに収録された名曲「Take The 'A' Train(邦題:A列車で行こう)」のこのテイクは思い入れが強い。自分がストーンズを聴きだした頃(1981年)の全米ツアーのオープニングに採用され、その後に発表されたライヴ・アルバム「Still Life」や、83年のライヴ記録映画「Let's Spend The Night Together」の冒頭でこのテイクが流れ、アナウンスと共に幕が開きコンサートが始まる興奮の一瞬を演出する曲だったのだ。昔は情報が少なかったのでデューク・エリントンの「Take The 'A' Train」ならひとつだと思って親父(ビッグバンド・ジャズ好き)の持っているCDを聴いたのだが”あの”テイクと微妙に違いがっかり。その後、このアルバムに収録されているものが”あのテイク”らしいと知り(確証は無し)、その1曲だけは先んじて聴いていたのがアルバムとして聴くのは初めて。
この頃のビッグ・バンド・ジャズを聴くと子供の頃に何百回も観て、いまだにDVDで観ることがある「トムとジェリー」(もちろんハンナ&バーベラ時代)を思い出す。当時決して上品ではなく、圧倒的に黒人が主体でヒップだったろうジャズをよくあそこまでアニメーションとシンクロさせたものだと今でも感心する(しかも戦中~戦後期。戦争に負けるはずだ…)。アルバム当時のデューク・エリントンの存在がどれ程だったのかはよく知らないが、何しろあのマイルス(Miles Davis)でさえ心酔する御大の音楽。このアルバムを聴いていても「トムとジェリー」の音楽を聴いているようだなんて言ったらファンに馬鹿にされるだろうか(笑)。曲中のドラム・ソロなんかを聴いているとBPMはえらく高いし、前衛的(破壊的?)に聴こえたりもして意外。曲のテイストもヴァラエティに富んでいて、ゆえにアルバムとしては何だかまとまりが無いようにも聞こえる。件の「A列車」は…、だめだ…この曲が始まるやいなや81年のストーンズのあのステージしか思い浮かばない(ま、その為に買ったようなもんだが)。これに「Under My Thumb」のギターイントロが重なり、風船が舞い上がる…。
オークションにて購入(¥380)
- CD (2004/3/8)
- Disc : 1
- Format: CD, Import
- Label : Sony Jazz