The Dream Academy / The Dream Academy (1985)
80年代ポップ、”ネオ・アコースティック”などと呼ばれたドリーム・アカデミー(The Dream Academy)の1985年発売のファースト・アルバム。グループは白人と黒人の男性、それに女性という珍しい3人組。3枚のアルバムを発売して消滅していたバンドだが、なぜか2016年に突然ニック・レアード=クルーズ(Nick Laird-Clowes・ジャケ中)とケイト・セント・ジョン(Kate St John・ジャケ右)の2人だけで再結成し、日本のみの単発のライヴをやった(いまだにその後の活動が聞こえてこない)。自分がこのグループの曲を知ったのは、このブログでも何回か紹介した80年代の青春映画、ジョン・ヒューズ(John Hughes)監督の「Ferris Bueller's Day Off」(邦題:フェリスはある朝突然に・ポスター下)で。
このアルバムにも収録されている「The Edge Of Forever」を始め2曲が印象的に使われていた。この映画にサントラは無かったが、映画のファンは大勢いて、主演のマシュー・ブロデリック(Matthew Broderick)が2012年のスーパーボウル限定のホンダのCMにもセルフ・パロディで出演していたり、ネット上ではサントラと称して音源が(勝手に)発表されたりしていたので愛聴していた(ちなみに市販映画DVDの日本語訳は訳し足らずで面白さが全然伝わらない…)。CDのジャケットはメンバーがトリミングされている(オリジナルは写真下)。
ヤマハのDX-7的なシンセサイザー音全盛の80年代にあって、このアルバムもシンセ・ポップであることは間違いないのだが、アコースティックな曲調と雰囲気、上手くはないが透明感のあるニックのヴォーカル、ケイトの奏でるオーボエやホルンの優しい音が特徴的で、アルバム全体にも叙情的な雰囲気と浮遊感が流れている。この時代では異色。クレジットを見てびっくりしたのだが、プロデュースと演奏にピンク・フロイド(Pink Floyd)のデイヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が参加している。ビックリ。これは全然知らなかった。ジョン・ヒューズ監督がどうしてこのバンドに引っ掛かったのか知らないが、普段こういった優しいポップ・ミュージックをあまり聴かない自分も、何度も聴きたくなる不思議な吸引力がある(映画によるエコヒイキあり)。
オークションにて購入(¥590)
- CD (2000/3/13)
- Disc : 1
- Format: CD, Import
- Label : Warner Bros UK