ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Wolf / Hugh Cornwell

2013年06月20日 | パンク・ニューウェーヴ

Hugh

Wolf / Hugh Cornwell (1988)

1988年発表のストラングラーズ(The Stranglers)の元ヴォーカリスト、ヒュー・コンウェル(Hugh Cornwell)のソロ・アルバム。一応正式脱退前の作品という事になるのかな。我々日本人にとってストラングラーズはちょっと終わってしまったバンドのように感じるが、自国イギリスを含むヨーロッパではいまだに根強い人気を保ち、国民的バンドに近い扱いを受けている。ヒューが抜けた後も依然としてしっかり活動している。自分も彼ら(ストラングラーズ)はパンク・バンドとして入ったので、「The Raven」以降の欧州耽美ポップ路線に関しては正直強い興味が持てなかった。全く聴いていなかった訳ではないんだけれど。ただ前より強い吸引力がないと感じていた。でも最近は認識を新たにしている。欧州では以前から日本とは逆に初期より中~後期の方が評価が高いようだ。ストラングラーズの独特のポップ路線を牽引していたのがヒューだったという事がこのアルバムを聴くとよく分かる。

叫ぶようなヴォーカル・スタイルの曲は全く無く、ある意味淡々と歌い上げているが、魅力的なメロディーと演奏、そしてもちろんヒューのヴォーカルによってとても充実した内容だ。プログラミングを多用しているので、ある意味エレクトリック・ポップと言えるが、ヒューの独特の声とメロディーがうまく調和して飽きさせない。曲の完成度も高い。正直ここまでの完成度だとは知らなかったので嬉しい驚き。もっと早く聴くべきだったな。ピアノやオルガンで今をときめくジュールズ・ホーランド(Jools Holland)が参加している。

ブックオフにて購入(¥250)


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