Going Back Home / Wilco Johnson, Roger Daltrey (2014)
いい意味で「死ぬ死ぬ詐欺」(笑)のウィルコ・ジョンソン(Wilco Johnson)と、ザ・フー(The Who)のロジャー・ダルトリー(Roger Daltrey)が組んだアルバム。末期癌に侵されて、余命幾ばくも無いとアナウンスされ、引退興行までやったウィルコ・ジョンソンが、最近の診断で腫瘍を取り除き、癌を克服したと発表された。このアルバムはまだ彼の余命が…と言われていた頃に録音され、発表されたもの。自分にとってはこの組み合わせが意外だった事もあり、その背景はよく分からなかったが、以前から旧知の仲だったんだとか。何はともあれ、ウィルコの危機が遠のき、音楽活動に復帰した事はめでたい。
自分はザ・フーに関してはかなり力の入ったファンだが、ウィルコに関してはドクター・フィールグッド(Dr.Feelgood)時代のアナログ・アルバムを持っているくらいで、熱心なファンとは言い難い。小気味良いカッティング・ギターとステージ・アクションが印象深いが、断片的に聴くだけで、ソロ活動までは網羅していなかった。ロジャーの方は、フーとしての活動はもとより、ソロで来日したり、10代の癌患者をサポートする慈善活動を活発に行ったりと、老いてなお盛ん。80年代以降はあまりパッとしなかった印象が強いが、最近は逆にノリにノッているかんじさえする。
さてそんな2人が組んだこのアルバム。ウィルコの病状の事もあってか、採用された曲はウィルコのキャリアからが大半(財政的な支援の意味もあったのかな?)。初めて組んだとは思えない程まとまりがある演奏で、ロジャーも(年相応に)絶好調という感じ。ヴォーカルは力強いが、肩に力が入っておらずリラックスした雰囲気で素晴らしいロックンロール・アルバムとなっている。バッキングにはウィルコの盟友ノーマン・ワットロイ(Norman Watt-Roy)や、スタイル・カウンシル(The Style Council)のミック・タルボット(Mick Talbot)らが参加していて、ジャケットやライナーには若かりし頃からの2人の写真が散りばめられている(鮎川誠の写真も!)。CDはユニヴァーサルからの発売なのだが、なぜかジャケットやCDレーベルにはチェス・レコード(Chess Records)のマークが。リイシュー・レーベルのHip-Oはチェスを扱ったらしいが…、なぜ彼らがチェス?そもそもレーベルとして復活しているのかな?
ブックオフにて購入(¥250)
- CD (2014/4/8)
- Disc: 1
- Format: CD, Import
- Label: Universal,Hip-O Select
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