太陽が顔を出しました。
陽射しがあると、気温が増しますね。
暑くなりました。
しばらく梅雨寒でしたので、じとーーとした暑さも気持ちがいい?です。
体温.血圧、正常値です。
昨日は、ゆっくり寝られたようで頭スッキリです。
嬉しい。。
今日は、免許を取ってからの会員であり40年浮気せずに
会員であり続けている、JAF月刊誌の記事から ご紹介します。
『会うよろこび』ブレイディみかこ(作家)
We will meet again
(わたしたちは再び会います)
今年4月、エリザベス女王は、ロックダウン中の英国の人々に向けて行った
スピーチの最後に、こんな言葉を言った。
これは第二次世界大戦中に英国で流行したヴェラ・リンの歌、
『We’ll Meet Again』をもじった文句だ。
英国にはこの文句に泣かされた人が大勢いたらしい。
このスピーチの後、ラジオでもテレビでも何度でもこの古い曲が
かかっていた。
しかし、考えてみればおかしな話だ。
なぜなら、わたしたちはロックダウン中も親族や友人や同僚に会っていたはずだ。
オンラインで話したり、会議したりして日常的に接触していたからだ。
先日、カナダ在住の作家西加奈子さんとZoomで対談した時にそのことを話すと
彼女はこんなことを言っていた。
「ネットで人類学者の記事を読んだんですけど、他者への信頼は、視覚と聴覚
だけじゅなくて嗅覚とか味覚とか触覚とかの感覚も使って築くものらしいです。
だから、こうやってネットで話していることと実際に会うことはイコールでは
ないみたいなんです」
記事のリンクを教えてもらって読んで見たら、なるほど京都大学総長の
山極壽一先生がこんなことを言っていた。
人間は、視覚と聴覚を使って他者と会話すると脳で「つながった」と
錯覚するらしいが、それだけでは信頼関係までは担保できないという。
なぜなら人は五感のすべてを使って他者を信頼するようになる
生き物だからだ。
その時、鍵になるのが、臭覚や味覚、触覚といった、本来、
「共有できない感覚」だという。
他者の匂い、一緒に食べる食事の味、触れる肌の感覚。
こうしたものが他者との関係を築くうえで重要なのだそうだ。
つまり、人間はまだ身体的なつながりのほうを信じているとも言える。
そのうち脳のつながりだけで幸せを感じる人も出てくるかもしれないと
山極先生は語っていた。
しかし、まだいまのところは、人間は他者の身体を必要としているらしい。
オンラインでの「つながり」は「会う」こととは違う。
それを本能的に知っているから、英国の人々も女王のスピーチの言葉に
涙したのだろう。
どんなにテクノロジーが発達しても、いまだに人を幸福にするのは、
「会う」よろこびなのである。
「どこかで絶対また会いましょう」
ビデオ通話を切るたびにわたしも女王みたいなことを言っている
ことに気づく。
早く人々が自由に移動できるようになり、失われた幸福な瞬間が
世界中に戻ってくる日を待ちながら。
お会いしたことがある方々には
「どこかで絶対また会いましょう!」
これから会うであろう方々には
「いつかお会いできたら幸せです!」
『変形性股関節症に負けないでね!』