天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第26期女流本因坊戦第3局/謝依旻、3連勝でタイトル奪取

2007-10-23 20:43:55 | プロ棋士

 矢代久美子女流本因坊に謝依旻(シェイ・イミン)女流最強位が挑戦していた、第26期女流本因坊戦五番勝負の第3局が10月17日、東京・市ヶ谷の日本棋院で行われ、黒番の謝女流最強位が半目勝ちし、3連勝で一気にタイトルを奪取した。
 第1戦、2戦に続き、本局も大熱戦を繰り広げ、大フリカワリの攻防となったが、最終的には最小差での決着となった。17歳11ヵ月での女流本因坊位獲得は史上最年少記録になる。

             (日本棋院HPより抜粋)

       ◇   ◇   ◇

謝さんの3連勝でタイトル奪取が決まりました。第1局はどちらに転ぶか分からない勝負を半目勝ち。第2局は終局直前、矢代さんのまさかの錯覚で逆転勝ち。第3局も最小差の半目勝ちと、謝さんに幸運の風が吹いていたようです。

一方、タイトル防衛を逸した矢代さん、内容的には負けていなかったと思いますが勝負では不運な結果となりました。
「不運」と一言では片付けられませんが、メンタルな部分で謝さんに勢いがあったということでしょうか。

この両者の対戦は本タイトル戦の2局目(謝さん2連勝)の1週間後に、「女流名人戦復活戦」でもぶつかっています。
結果はこのときも謝さんの勝利でしたので、4週連続の4連勝と矢代さんはお得意さんという格好になりました。
実力的には紙一重だと思いますが、勝負は不思議な流れとなるようです。

       ◇   ◇   ◇

以下、毎日新聞「ひと」より抜粋

◆目標だったタイトル、でもまだ勉強不足--謝依旻さん

 囲碁界で最も権威と伝統のある女流本因坊のタイトルを史上最年少で獲得した。
 「目標にしていたタイトル。勝てたのはうれしいが、対局の内容には不満が残ります。まだまだ勉強不足」。終局後、緊張した面持ちで語った。
 台湾北西部の苗栗(ミャオリー)市出身。5歳で囲碁を覚え、地元で天才少女として有名になった。台湾出身の黄孟正九段が師匠となり、来日してプロ棋士を目指した。
 2年目の入段リーグ戦で13勝4敗の好成績をあげ、女流としては最年少の14歳4カ月でプロ入りを果たした。黄九段は「ハングリー精神というのでしょうか、来日した時から、ほかの院生たちとは顔つきが違っていた。入段できなければ、いつ母国に返されるか分からないのですから」と当時を振り返る。
 その後も順調に実力を伸ばし、昨年12月には女流最強戦で初優勝。女流タイトル獲得の最年少記録を更新したばかりだ。
 棋風は猛烈な力碁(ちからご)で、「武闘派」とも呼ばれる。時折見せる相手を射るような強いまなざしは、自信に満ちあふれている。碁盤から離れれば、音楽や小説が好きな明るい17歳だ。

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