天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第32期名人戦第5局/高尾名人が2勝目

2007-10-25 15:05:53 | プロ棋戦

 10月17日から神戸市北区の旅館「御所坊」で打たれていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第5局は高尾紳路名人(30)が張栩挑戦者(27)に黒番2目半勝ちし、対戦成績を2勝3敗とした。
 第6局は11月1、2の両日、甲府市の常磐ホテルで。
 解説の坂井秀至七段は「接戦でしたが、後半に見せた名人の巧みな仕上げが印象に残りました」と話した。

<高尾名人の話>
 ずっと自信はなかった。黒139以下は予定の進行でした。最後の小ヨセでようやく勝ちが見えました。

<張挑戦者の話>
 封じ手のあたり、時間はあったがうまい手が見えなかった。2日目はチャンスはなかったかもしれない。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

第2局から3連敗しカド番の高尾名人ですが、本局ではあわてず重厚な構えから巧妙に立ち回り、2勝3敗と差を詰めました。
敗れた張栩碁聖、相変わらず早い着手で3時間以上を残しての省エネの終局でした。「もう少し考えた方が・・・」と素人は思いますがどうなんでしょう。

第6局は張栩碁聖得意の先番、快足の逃げ切りか、名人の追い込みか、決戦は最高潮を迎えます。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は神戸市北区有馬温泉の旅館「御所坊」。対局室の「偲豊庵」(しほうあん)は読んで字の如く、豊公を偲ぶ庵と名づけているそうです。
関西では今だに太閤・秀吉の人気は根強いようです。晩年の評価はイマイチですが、清濁合わせたスケールの大きさは現代では見当たらないですね。

「関が原決戦」以降、戦国最後の戦いとなった「大阪の陣」では真田幸村や後藤又兵衛らの奮闘もむなしく、天下は豊臣から徳川へ。
日本の中心も関西から関東に移りましたが、関西の伝統・心意気も捨てがたいものがあります。

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