天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第32期棋聖戦第1局/山下棋聖が先勝

2008-01-24 21:39:52 | プロ棋戦

ブラジル・サンパウロのホテルで1月12日から行われていた第32期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖(29)と挑戦者・(51)の第1局は、白番の山下棋聖が中押し勝ちした。
 中盤戦で左上白と左辺黒が不安定となる中、山下棋聖が先手で地を稼いでリードした。
 この後、絡み攻めを狙った中央白が孤立し、黒にも勝機が生まれたが、大寄せに入ってからの黒が失着。山下棋聖は右上隅で狙い澄ました手筋を放ち、黒をへこませて逃げ切った。
 第2局は1月30、31日、島根県益田市の「島田家」で行われる。

<山下棋聖の話>
 ずっと形勢を判断できなかった。ブラジル対局は体力面で大変だったが、無事に終わりホッとしている。

<趙十段の話>
 出来が悪かった。七番勝負の感覚を忘れて不安だったが、その不安が的中してしまった。早く勘を取り戻して頑張る。

                 (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

山下棋聖が冷静な打ち回しで初戦を白星で飾りました。これで第30期、第31期とも4連勝でしたので9連勝、凄いですね。
短時間の棋戦では時間が気になるそうですが、7番勝負はじっくり打てるということで棋風に合っているのかもしれません。

一方、久しぶりの7番勝負に登場した趙十段、7番勝負の感覚が戻らなかったのか不本意な黒星スタートなりました。初戦は敗れたものの百戦錬磨の大豪、巻き返しに期待しましょう。

2008年初頭の大一番、棋聖戦が始まりました。「冬将軍:山下棋聖」と「7番勝負の鬼:趙十段」の激突、熱き戦いは始まったばかりです。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地はブラジル・サンパウロ。人口は1,700万人でその1割近くが日本人及び日系人とのことです。
日本の裏側ということで移動が大変だったようですが、本対局は日本人移民100周年を記念しての企画ということで、会場設営など関係者も苦労されたことと思います。

棋聖戦が南米で行われるのは、第15期七番勝負で小林光一棋聖と挑戦者の加藤正夫九段が同じサンパウロを舞台に対戦して以来、17年ぶりとなるそうです。

ブラジル囲碁界にとって故岩本薫九段の存在は切り離せません。戦前、短い期間ブラジルに移住した時期もあったそうですが、私財をなげうってブラジルに囲碁センターを建設(他にオランダ、アメリカにも建設)した功績は、日本人の誇りといえましょう。
本棋聖戦第2局の開催地はその岩本九段の生誕地である島根県益田市、地元関係者の感慨もひとしおと思われます。

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