第35期囲碁名人戦七番勝負が9月1日、大阪府吹田市で開幕する。
昨年、20歳の史上最年少名人となった井山裕太名人(21)と、4年前に遅咲きの30歳で名人となった挑戦者・高尾紳路九段(33)の激突。対照的な両者には、手厚く、碁盤全体を見ながら戦うという共通点がある。
互いの感覚をぶつけ合っての結末は、「若き井山名人の初防衛か」、「高尾挑戦者の返り咲きか」。
(朝日新聞より抜粋)
◇ ◇ ◇
今期の名人戦リーグは最終戦を前に張栩棋聖と高尾九段が6勝1敗でトップタイ。
両者勝てばプレーオフでしたが、張棋聖が小県九段に敗退、高尾九段が結城九段に勝ったため、高尾九段が挑戦者に名乗りをあげました。
後半の挑戦者争いのキーマンは小県九段。6連敗でリーグ陥落が決まった後、1敗で優勝戦線にいた結城九段を引きずり降ろし、最終戦でも張棋聖に逆転勝ちと台風の眼になりました。
NHK杯などで見る小県九段は、「しかめっ面」で近寄り難い雰囲気がありますね。
今は愛想のよい棋士が多くなりましたが、以前は小県九段のような渋いタイプが多かったように思います。
◇ ◇ ◇
朝日新聞の予想記事で小説「天地明察」の著者である冲方丁(うぶかた・とう)さんのコメントが載っていました。
その中で「僕は負けない戦いをしなければならない側に、つい肩入れをしてしまう。負けられない人の姿を見るのが、実はたのしいんです」と。
ナルホド、そういう見方もあるんですね。