火花 | |
又吉 直樹 | |
文藝春秋 |
今まで読んでなかった。
噂が下火になった頃に読むというのは私の定石です。
煽られやすい性格だから、おっとり刀で後から行くほうがいいそうです。
早く行ってももなにもよいことはありません。
小説をほとんど読まない私です。
芥川賞受賞作品は読むことがあるけれど最後まで読んだ本は少ないです。
で、『花火』です。
まず読み始めて、『読みにくいなー」というのが第一印象。
それが、面白くなったのは、9ページ以降。
主人公と先輩との会話が中心になってから。
それからは一気読みとなりました。
筆力あります。
さすがに漫才の台本を書いているだけあって、緩急強弱の付け方や山場の持って行き方には唸らされました。
私はお笑い芸人の芸を生で見ることは少なかったのですが、最近は東北に行く機会があり、
そこで芸人の芸を見る機会が何度かありました。
その時に、芸人の芸における真剣勝負ぶりに本当に驚きました。
だから、この小説に書かれている漫才芸人の漫才に対するストイックさが理解できます。
一読に値する本です。