岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

明日は4月25日。福知山線事故を想う。

2009-04-24 06:31:29 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
JR西福知山線脱線転覆事故から明日で4年です。
人々の記憶から薄れているかもしれませんが、当事者や家族の方の悲劇や苦悩は今も続いています。

朝日新聞には、負傷者の方のアンケートや、「PTSD 死を選んだ25歳男性」についての記事が掲載されています。
負傷者の方のアンケート(回答者68名)では、4年後の今も「事故後の精神面での変化は今も続いている人」は
全体の3分の1となっています。カウンセリングは11名の方が続けられています。
いかに悲惨な事故だったか、アンケート結果でもわかります。

私自身も電車の脱線横転事故に遭遇した経験があるのですが、約半年で、精神的変化は解消しました。
幸い死者が出なかった事故なので横転時の恐怖はあっても車内の悲惨さや救出時の苦悩は体験していません。
この違いは非常に大きいと思います。

新聞記事には、事故でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になった宝塚市の男性の方の自死についても書かれています。

この方は、ブログを書かれており、事故の2ヶ月後から亡くなる直前までの「事故の記録との闘いや心身の不調の様子」がつづられています。
そのブログの一部が母親の許可を得て掲載されています。

「男性は2週間に1回、心療内科に通い、カウンセラーの訪問も受けていたが、治療の効果も実感できずにいた。
進学も就職もできず、社会から取り残されていることにいらだちを募られた。
事故があった4月25日が誕生日だったことで、100人を超える人が亡くなった日に、生きて一つ年を重ねることに
自責の念すら覚えていた。 
そして、08年10月2日早朝、男性は自ら命を絶った。
『とりあえず、生きています』とブログに書きこんだ1時間半後だった」

「息子の死に直面した母親が今度はPTSDと診断された。
『いまの社会は誰もがPTSDになりうる。息子の命と人生、苦しみは何をもってもしてもあがなえないが、
PTSD治療の研究が進み、多くの人が救われれば、その成果の中で息子は再び生きることができる』」

あらためて あの事故の重さを感じます。

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2 コメント

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信楽高原鉄道 (Maa-chan)
2009-05-14 18:56:27
 本日(5月14日)は,信楽高原鉄道の正面衝突事故があった日です。(1991年5月14日)
 この事故も,JR西日本の安全に対する考え方が問われた事故だったと思います。

 この事故では,42人が亡くなっていますが,それから14年後に再び福知山線事故を起こしているのです。厳しい言い方ですが,JR西日本は「学習」していなかったのだと思います。

 鉄道も含め,公共交通の一番の使命は安全です。福知山線事故だけでなく,この事故もきちんと語り継ぎ,安全であることが当たり前であることをもっと自覚してほしいものだと思いますし,私たちももっと訴えていかなければ,と思います。
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信楽高原鉄道 (岩清水)
2009-05-15 06:11:58
Maa-chanさん。
コメントありがとうございす。
そうですね。5月14日も忘れてはならない日です。陶器祭りの日でした。
この事故でJR西日本は加害者の自覚がありませんでした(責任回避をしています)。
一方、被害者の方々は、事故の解明に力を注ぎ、今につながる成果を得ました。
2007年11月に現場に行きました。
なぜ、こんな所で事故が起こるのかという思いが強かったです。
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