岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【ここに故郷が】吉備の国(上)

2005-01-06 15:30:34 | 日本の仲間
京都の近郊に住んでいながら、
懐かしさを感じるはところは、
京都ではない。残念です。

奈良市にいくと、ここは日本人の
故郷だと思う。
明日香に行くと、こここそ、故郷と
思う。
(大化の改新はみたよ)
そして、ここしかない故郷を
中つ国の吉備に見出した。

吉備は古代の日本人が愛した国。
吉備を知らない人でも、明日香の
低い山並みに囲まれた心地よさは
よくご存知だろう。

吉備にもそれがある。
明日香が、難波から歩いてどんずまった
ところに辿りついた、ある快感。
そう部屋の隅っこにいる安心感なら、
吉備は、開かれた平野の中に、
低い山が並び、その中に心地よい隠れ家が
ある感覚である。

岡山市から、総社市まで20km程度だろうか。
この間が今の吉備路といわれる地域である。
自転車道が整備されている。
最適な乗り物である。
JR吉備線で各駅停車を繰り返すのもいい。
マイカーは薦められない。
大切なものが得られない。

吉備路に直角に笹が瀬川と足守川がある。
笹が瀬川は、桃が流れてきたという言い伝えがある。
桃太郎伝説である。
足守川は、後代に秀吉が高松城水攻めに利用した
川として有名である。

この地域には、弥生時代からの遺跡が多いが、
ちょっと、あまりに古くて
実感がわかないので、今も建物が残ってる、
吉備津神社や吉備津彦神社の
雰囲気から書いていこう。

岡山から笹が瀬川を渡ると、吉備の国に入ったと
感じる。今や岡山市内に編入しているので、
ロードサイドに、昔の面影はない。
よくある風景である。

しかし、古代からある山々は吉備そのもの
である。雑木林の山は低く三角になったり、
台形になって連なっていく。
高くて300mくらいの山である。
この高さは人にやさしい高さである。
懐に包まれる感覚である。
(ちなみに大和三山もその程度の高さである。
京都になると、比叡や愛宕山となり、1000m
近くとなる。懐ではなくなる)

その山の一つが有名は吉備の中山である。
中つ国の中山というわけだから、ここが
中心なのだろう。
その中山の東の裾野に吉備津彦神社がある。
岡山から吉備に入ると最初にこの神社に
出会う。
 
下に続く。


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