岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『創価学会の研究』玉野和志著

2008-11-01 15:12:08 | 
講談社現代新書2008年10月発行

新幹線内で読もうと買った新書です。同時に「社会福祉学なんでもありBLOG」さん推薦の
『後期高齢者医療制度』伊藤周平著も購入しました。
なぜ、『創価学会の研究』を買ったのか。
それは私に、創価学会や公明党に対する根拠なき偏見があるからです。
私自身が、なにか胡散臭いと感じていて、考えてみれば大した根拠もあるとはいえないこと。
一度ちゃんと考えておいた方がよいと思ったからです。
もちろん、一冊の新書では、しっかり考えることはできないでしょう。
しかし、まずは一冊から。

高齢者の家庭訪問を続けていると、創価学会の会員が多いことに
気がつきます。
孤立しがちな高齢者を会員仲間が支えていることも見ています。
これを票欲しさからだという話も聞きます。
しかし、それだけではないことは容易に想像できます。

この『創価学会の研究』は、表紙の腰巻(通常の倍の幅があり)に
「批判でも賞賛でもない初めての学会論」と書かれています。
もちろん、本文を読んでいけば、「初めての学会論」ではないことが
すぐにわかります。
なにしろ、著者は社会学者、先行研究の紹介には落ち度はありません。

読後感想は? やはり、一読に値しました。
私自身の創価学会に対する偏見は、一般的な日本人が持っている偏見そのものでした。
どのような偏見も偏見には変わりはありません。
偏見を許さないつもりでも私に中に入り込む偏見がいくらでもあるということでしょう。
最後に、一箇所だけ引用しておきたいと思います。

「幸せにするシステム」を必要とした人々 P。52
「地方から都市へと流入し、都市の地域社会に立場をもちえなかった人々や、
とかく地域と無関係に生活する青年層にとって活躍の場を
提供するものであった。しかもかつて「病人と貧乏人」といわれるくらい
極めて困難な状況にあった人々が、その困難な状況に対して積極的に
立ち向かっていくことを組織ぐるみで応援するようなシステムとして
作用してきたのである」

このことは、見聞してきたことと合致します。
同じような役割をになっている新興宗教は多くあります。
その結束の強さが、外部の人々に胡散くさく感じることが多いのです。
私がもつ胡散臭さも、よく点検していかなくてはならないと考えるきっかけになりました。

最後に、今の公明党には物申したいことは多くあります。
その中に偏見は含まれていないと思っています。

※写真は岡山大学の構内。バス停がいくつかある。広大なキャンパス。

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2 コメント

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公明党の日常活動 (bonn1979)
2008-11-01 15:36:57
岡山大学は広いのですね。
都市の風景に大学が溶け込んでいる街がいいですね。

公明党ですが
私も一時期週刊誌を通勤電車で読みすぎて
偏見で一杯です。

ですが
私には、老人福祉課時代の記憶として、
各政党の間では、20年前に
認知症などに取り組んでいたのは
第1が公明党
第2がなくて
第3が共産党
第4が自民党
当時の社会党や民社党はほとんどこの分野では日常活動をしていなかった。

もう少し具体的に言うと、
高齢者の地域での問題に即して
資料要求があったり、国会質問があったり、政党の機関誌で取り上げたり・・という観点での経験では、公明党はよく勉強していました。

もちろん、そのあとの20年間は、政治とはかかわっていないのですが・・あの頃の体験的な感覚(老人問題は公明党と共産党だなぁ)は消えないですね。

それと、今、思い出したのですが、私が辞めてすぐ、後任の課長のA氏(その後、参議院議員)から「公明党がFさん(私)の話を聞きたいといっているけど行かれませんか?」とつないできたことがあります。
誰もが私を気味悪がって遠ざけているとき(阿部志郎先生のことは前に書きました)、政党が勉強会に一浪人の私を呼ぶとは・・、と驚きもし、嬉しくもありました。
*政治嫌いでしたから、お断りしましたが。
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貴重なお話 (岩清水)
2008-11-01 22:46:03
20年前のお話ありがとうございます。
そうでしたか。
公明党が与党になって厚生労働大臣の席を
求めたことの理由がよくわかります。

とことが今は矢面に立つことのすくない大臣の席を
求めていますね。
この辺りが、大いに不満です。
政治には原理を持ってほしいと思っています。
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