岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

韓国旅客船の遭難について。

2014-04-23 07:07:14 | 世界のなかま
1週間がたってしまった。
連日の報道に心を痛めています。
遭難者の生存を願い人々の前に厳しい現実が立ちはだかっている。

船員や船会社、政府への批判が高まっている。
客の安全がこんなにも軽視されていたことへの怒りである。

このように事態をみると、暗澹たる気持ちになる。
今回の遭難は100%人災といえる。

この人災の根っこには、安全信仰があったと思う。
この船が転覆沈没することはあり得ないと。

そのような思い込みがあって、すべてが杜撰になっていったのだろう。
沈没することなど考えられないから、危機対策は考えなくてもいい。
車両の固縛は必要ない。
今までも、危険を感じることはなかったのだろう。
船は海上にいるわけだから常に危険と隣り合わせだ、ということが頭から抜け落ちていた。
「悪意はない」という弁明があるだろうが、飛行機が空を飛ぶことが不自然なように船が海に浮かぶことも不自然なことなのだ。
そのような「不自然なことを行っているのだ」という謙虚な考えを忘れてはいけない。

例えば、新幹線や高速道路は高速の移動というも不自然なことだ。
不自然なことは危険なことだということを認識しなくてはならない。

日本で起こった不自然なことの最たるものは原発事故だ。
安全神話が、不自然な開発を後押してしまった。

今回のような大惨事が起こると想定されていたならば、船員や船会社の人々は避けようと努力をするに違いない。
しかし、船が沈まないと信じてしまっていたら、その努力を怠ってしまう。

大事故や大惨事があって安全対策が講じられる。
今まで繰り返されてきたことが今回も行われざるをえない。
これが残念ながら私たちの現実だ。

犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。


最新の画像もっと見る