岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『クララ・シューマン 愛の協奏曲』

2011-09-15 14:03:56 | 映画・DVD 
19世紀中葉、ドイツの話です。



ドイツはまだプロイセンと呼ばれていました。
舞台の中心はデッセルドルフ。

モーツアルトやベートーベンが去って、偉大な後継者が待たれていた時代です。

登場人物は3人といってよいでしょう。
ロベルト・シューマンと妻のクララ・シューマン。
そして、ハンブルグ出身の若きブラームスです。

3人ともに天才的な作曲家であり、優秀な演奏者です。
特にクララ・シューマンのピアノ演奏は群を抜いていたといわれます。

この3人のエピソードは、ドイツ人の民族的な誇りといわれるべきものです。
特にクララは19世紀という時代にあっても演奏家と家庭人を両立した「賢婦人」として尊敬されています。
夫のロベルト・シューマンはもちろん大作曲家ですが、精神的に病んできます。
晩年にはライン川への飛び込み事件を起こします。
子だくさんと貧困の生活です(8人の子ども)。

その厳しい生活を心身ともに支えた人がブラームスだったといわれます。

若きブラームスの才能を認めたのがシューマン夫妻であり、やがて、そのブラームスが有名になり、シューマン夫妻を支えます。

私たちはブラームスといえば長いひげを生やしたおじいさんの写真のイメージしかありません。
この映画で若き日のブラームスはエキセントリックで魅力的な男性に描かれます。

ロベルト亡き後、ブラームスはクララとその家族を支え続けます。
クララが亡くなった直後にあとを追うようにブラームスも旅立ちます。

ドイツ人が誇る美談です。

日本でいえば、幕末から明治20年代の話です。

監督はブラームスの子孫にあたる人です。

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2 コメント

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弦楽六重奏 (bonn1979)
2011-09-16 15:45:07
シューマンのこと
あまり知りませんでした。

ブラームスが支えていたということも。

ブラームスの
弦楽六重奏曲の第2楽章というのを
CDで聞いたことがあります。

なくなったドイツ中世史研究の
阿部謹也先生は
ドイツ史は、音楽史だ・・といった
ようなことを書いていましたね。
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ドイツと音楽。 (岩清水)
2011-09-16 20:47:38
ドイツのことはbonn1979先生に聞くべしと思っています。
音楽の知識はありませんがブラームスは大好きです。
この映画を観て一層好きになりました。

なぜドイツは音楽が素晴らしいのでしょう。
フランスやイギリスとは格段の差です。
構成・統合力が違うのでしょうか。
合唱曲、歌曲も日本人にも愛されていますね。
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