岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「若者の職奪う団塊世代の再雇用」

2005-10-12 09:49:11 | 日本の仲間
毎日新聞10月8日の「論点」に掲載された金子勝氏のことば。

いやー、厳しいです。
「団塊の『好機到来説』は根拠なき幻想。定年前に
年金と雇用ルールを確立せよ」

要は、逃げるな、ということですね。

団塊世代の話題はというのと、年金と雇用の制度がどんどん
厳しくなっていくなかで、自分たちだけは「現制度のいいとこの
最後」をなんとかもらえるのではないか、ということらしい。
この団塊世代が700万人いる。

これが幻想なのだ。
なぜなら、将来の年金は、現在の若者が支払うことになっていて、
その若者は、400万人がフリーターで80万人がニートといわれる。
どうして支払うことができるだろう。

その上に、定年退職した団塊世代が低賃金で再雇用されるように
なれば、若者はどんどん厳しくなるということになる。
(ここまでは金子氏の考え)

この点すでに社会福祉界(とは言わないか)が先取りをしていて、
介護保険によるホームヘルパーなどの賃金が低く押さえられる
ことで若者の賃金も上がらず、30才以降の生活設計できないで
いる。

このようなことが、国全体で進んでいくことになる。
フリーターやニートは頼らず、若者の中の「勝組」に頼ればよいと
いうかもしれないが、それはどう計算しても無理な話しだ。

「勝組」というのも、これも大いなる幻想なのである。
弱者が弱者の自覚さえ持てなくなったという総括を今回の選挙で
私は持っている。
「ようわからんから、小泉さん任せるからうまくやってよ」と
いう思考停止状態なのである。
その点では、日本国民全体が大きな幻想を共有していることになる。

その幻想のひとつに「家族で支え合おう」ということがある。
国の制度で支えられないから、家族で支えろと、なんと国が
いっているというのが今の構図だ。

すでに始まっていることだが、年金暮しの親に低賃金の息子や
娘が依存しているのだ。これは家族内所得移転だが、このように
してやりくりしてくれ、というのが国の思いだろう。
これは施策でもなんでもない。国の無策以外のなにものでもない。
(ここまでは私の考えです)

定年を目前にした団塊世代よ。時間はないが、持続可能な年金制度や
雇用ルールを持続可能にする政治を選択せよと、金子氏は「論点」を
締めくくる。

それがせめてもの団塊世代の罪滅ぼしという点において、考えを同じく
するものです。

もちろん、団塊世代も定年後も働いていかなくてはならない。
そのためには新しい雇用ルールを確立しておかなければ、弱者対
弱者による「賃金下降スパイラル」競争という事態を生んでしまう。
これを防ぐのが団塊世代という当事者の責任なんだね。

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