岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

東アジアの秩序、安全保障も流動的に。

2012-01-06 21:03:05 | 日本の仲間


本日のオバマ大統領の発言は世界の安全保障のターニングポイントかもしれない。
米国のアジアの一方からの撤退は大統領選挙のためにも必要なことであった。

そしてアジアのもう一方である東アジアは緊張が高まっている。
中国の軍事力の増強と北朝鮮の予期せぬ世代交代が主要因だ。

北朝鮮は、権力基盤が不安定だと言わざるをえない。
一人の独裁者による圧政下の安定は軸を失った。
新指導者を支える体制は軍部中心である。
軍部が一枚板かどうかもわからない。
ジョンウンには腹心といえる軍部指導者はいないだろう。
やはり血族に頼らざるをえない。
北の政権は手さぐりで先に進むしかないということになる。
その場合、外敵をつくり内部を抑えるという先代政治の継承への警戒が必要だろう。

その北朝鮮をマネージしつつ、一つの駒として生かしたい思いが中国にあるだろう。
北朝鮮は韓国、ロシアそして日本の緩衝地帯になりうる。

東アジアの諸国にとっては、日本列島、南西諸島の大きな弧は太平洋への出口を閉じる弧でもある。
軍事、経済(地下資源を含む)的に大きな制約となっている。

東アジア諸国が領土問題に過剰とも思える反応を特に日本に示す理由に、「閉じられた弧意識」があるのではないだろうか。

日米同盟がかつての安全保障条約と様変わりをしたのは、米国のアジア戦略が大きく変わったことによる。
経済では中国との協力関係を意識しなくてはならないが軍事的には協力関係は考えられない。緊張関係は増すことになる。
いまや、日米同盟が米国にとっても最も重要な軍事同盟になってきている。
中近東や欧州が緊張する場合は米英が兄弟のような連携をとったが、こと東アジアでは英国は過去の宗主国でしかない。
日本は自らの立ち位置を正確に把握しなければならない。

このことが誰も目にも明らかになった新年だった。

※京山に展示されたまま朽ち果てそうなF104戦闘機(確か)。

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