岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「市場と共同体」 小林慶一郎氏

2009-05-31 05:30:06 | 日本の仲間
朝日新聞 5月28日「ザ・コラム」より

小林慶一郎氏の名前は、よく見ています。朝日新聞を読んでいるからかな。
今回の記事は、「市場と共同体ー見逃せぬ相互依存の関係」とあったので見逃せぬと読みました。
論の進め方は、
「経済危機が深刻化し、生活が脅かされる中で、市場中心の競争主義は行き過ぎだった、
根本的に間違っていたという反省が広がっている」
「グローバルな市場経済の拡大が格差の拡大やセーフティネットの破壊を生んだと言う従来の議論が、
経済危機を契機に日本の世論の中で一気に主流になった感がある」

確かにそうでしょう。でも、次の論立ては、どうでしょうか。

「この背景には、次のようなふたつの『誤解』が前提として存在していると思われる」
それは、
「1.経済危機は、市場経済システムが根本的に誤りと証明した。
2.市場と共同体は、本質的に対立するシステムだ。」

この前提は、どうだろうか。
1.には「根本的」、2.には「本質的」という言葉が使われているが、
私の感覚では、「根本的」で「本質的」と考えている人は少ないように思われる。
僭越ですが、論のための論になっていると感じました。
この断定的な「誤解」はないのでは、と思っています。

しかし、現状認識とは別に、結論は納得できます。
「自由な市場と共同体は、互いを必要としている。自由な市場経済が健全に発展し、
さらに、市場が自身を支える共同体を壊さないようにするためのルール作りが
求められている」

文章はここで終わっています。
だから、「コラム」ですね。
この先を、「提言」というコーナーで書いてほしいと思います。

ルール作りの中身を。
私が知りたいと思っていることは、そこなのです。

もちろん、私自身が考えなくてはならないことですが。



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