岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

北九州ホームレス支援機構の奥田知志さんの話を聞く。

2009-05-30 20:01:47 | 国民と国会と政治
岡山野宿生活者支援の会主催の講演会が市内北区であった。

講演者の奥田知志さんは、NHKの人気番組「プロフェショナル」にこの3月出演されたとのこと。
しっかり見逃していました。
茂木さんのブログにありました。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/03/post-dc31.html

奥田さんは関西の方ということもあって、話も面白く、大変勉強になりました。
ホームレス支援を20年間されている本当に筋金入りの方です。

この人を味方にすると百人の仲間を得たと同然ですが、敵に回すと手ごわい人になるのでしょう。
このような表現は牧師さん(奥田さんは牧師です)としては、不適切かもしれないけれど、
実際に北九州の行政担当者は、手強いネゴシエーターを相手にしていたことになります。
奥田さんは、1990年代のホームレス支援において、北九州市に「殺人行政」とプラカードに書いて抗議した。
逆切れした市当局は、「広場からのホームレス炊き出し排除」をしたそうです。

この排除劇は、奥田さんを逮捕するシナリオまであったそうですが、マスコミや市民の眼が
許さなかったのでしょう。
さすがに逮捕はされなかったのですが。
しかし、「ホームレス炊き出し排除」をする行政があったのですね。

2001年、両者は歩み寄ります。
「自立支援住宅」をNPOとして設置したことがきっかけになったとのことです。
行政に抗議するという立場から、自分たちにできることをする方向に展開したということでしょうか。

それからの活躍は驚くものがあります。
その内容についての説明は、私の手に余ります。

ただ、とても重要と思われたことを書いておきたいと思います。

「ハウスレス」と「ホームレス」の違い。

「ハウスレス」は、物理的困窮、すなわち住居、衣服、職場、身分証明、電話レス。
「ホームレス」は、関係性の困窮、家族、兄弟、友人の喪失。

憲法でいえば、第25条、「健康かつ文化な生活」の健康の部分は「ハウス」、
「文化」の部分は、「ホーム」。

「ハウス」を支援することは、国の責務だが、文化である「ホーム」は、
地域で支援しなくてはならない。

このお話を聞いて、生活保護を受けながら、話し合う隣人もなく孤立している方の顔が浮かんできました。

新たな視点をいただいた。
大変、勉強になりました。

さっそく、岡山野宿生活者支援の会の会員になりました。
会費は定額給付金から出させていただきます。

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