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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「地域の医療・介護を考えるワークショップ~『尊厳をもって生きる』」に参加しました。

2014-10-26 05:12:51 | ケアラーのために
主催:岡山大学地域創生ネットワーク・アゴラ
日時:2014年10月25日(土)13時~16時30分
場所:岡山大学国際交流会館

13時~趣旨説明(荒木勝代表)
13時5分~理解を深めるためのミニ講義
①「医療と介護のしくみ」 岡山大学経済学部 岸田研作 教授
②「地域で医療と介護をどう支えるか?ー自助・互助・共助・公助」
  岡山大学医学部 浜田淳教授
③「ふれあい・たすけ愛社会の創出」 
  認定NPO法人 子ども劇場笠岡センター 宇野均恵理事長
14時~16時20分 ワークショップ
  ~16時30分 まとめ
17時30分より懇親会

レジュメ表紙の言葉

本日は、どうすれば「地域の中で尊厳をもって生きる」ことができるかをテーマに、
たとえ病気や介護を必要とする状態になっても、自分らしい高齢期を送るにはどうすればよいのか、
家で介護している人の負担を減らすにはどうすればいいのか、
、といった今の地域で起きている問題
を、
今の地域で起きている問題を、皆で考えることができればと思います。どうぞよろしくお願いします。

参加者は、大学関係、NPO、企業、医療、介護、行政、地域、報道、介護者と、ほぼ市民を網羅している。
このことは、たやすいことではありません。
大学が地域に開かれていることの証しです。
様々な会合に参加する機会がありますが、ここまで広範囲な参加者が集うことはまずありません。
主催者の方々の努力に敬意を表します。

主催の岡山大学地域創生ネットワーク・アゴラについては、全くといっていいほど知識はありません。興味のある方はぜひFBのページをお読みください。

ミニ講座の内容に関しては、FBに掲載されると思います。

ここでは、後半に行われたワークショップについて書いてみます。
参加者が7チームに分かれます。そしてグループ討議をします。
そしてその内容を用紙にまとめ、一人が発表します。
経験されている方も多い手法だと思います。



私たちのグループは5名。全員ことなる立場からの発言となります。
年代も20代から80代とほぼ全世代に渡ります。
このことが重要な意味を持ちます(主催者の意図でもあります)。
20代の学生、30代のNPO管理者、50代の大学教員、60代の介護者、80代の愛育委員。

課題1 尊厳ある生活とは?
     尊厳が保てなくなるのはどういう場合か。
課題2 あなた(個人)にできること/できないことは何?
課題3 あなた(個人)にできないことを地域で解決していくとしたら誰が/何が/どんなしくみが必要?

このような課題を1時間30分で話し合うというやや無謀な試みです。

しかし、この課題は団塊の世代が後期高齢者(抵抗ある用語です)となる2025年までにはなんとか決着を
付けておく必要があるのです。
2年や3年で解決できる課題ではありません。10年単位の課題です。

さて課題1です。尊厳ある生活とは。

私たちが行っている日常生活そのもの。堅い言葉でいえば、自由意志、自由決定の行使、自己実現などができること。
具体的な「尊厳」にかかわる話を聞く:親族の終末期に立ちあいながら本人の意志を確認することができなかった。
はたして本人の尊厳を保てたのだろうか。確認しようがない。意識がある時にもっともっと話し合っておくべきだった。
他の介護者から、親の施設利用で感じている悩み。施設の危険回避策と本人の希望がそぐわないこと、周りの人が保護者的に
なりすぎている。本人の尊厳がまもられているのだろうかなどの話があった。

課題2.あなた(個人)にできること/できないこと。

愛育委員(岡山県独自の民間委員)の方からは、家庭訪問を繰り返しても扉や心を開いてくれない家がある。
本当にかかわりが必要な人々とはそのような人々。届かないことが多いと。
介護者の孤独についても:地域包括ケアが求められる現状ではあるが在宅介護のキーパソンは家族であり、
介護を担う子ども世代は兄弟も少なく、相談する相手も限らている。
このような状態では介護者が追い詰められていく。
介護はしたくともできない状況もある。
要介護者自身の尊厳もある。介護のために自己実現を諦めた人も多い。

課題3、あなた(個人)にできないことを地域で解決していくとしたら誰が/何が/どんなしくみが必要か。

私たちのチームは、5人全てが大学周辺に住んでいた。
この地域で長年過ごしている人。大学や就職のため関西に出て最近帰ってきた人々。教員宿舎に住んでいる人。
ワンルームマンションに住んでいる学生。
このように転入、転出の多い地域(大学町)といえる。
そして、マンションが急増に、地域の繋がりが希薄にはなっている。
そこでは、人々は一歩踏み出す努力が求められている。
前から住んでいる人は、新しい住民に「おせっかい」的にかかわる。
新たな住民は、扉の中にこもらずに、外に開かれた「家族(単身者を含む)」を目指す。
日本では古来より、新たな住民が近所の人に挨拶に出かける習慣があるがそれでは今はダメ。

古い住民が、新しい住民に歓迎の意を示すために、ウエルカムキット(地域情報やきび団子)などを
持参して訪問する。
初顔合わせを大切にする。

そしてすべての世代との交流を目指す。
かつての大学生は地域の人々の家に下宿していた。卒業後も交流が続いた。
今は、学生はワンルームマンションに住み、地域との関わりはほとんでなくなった。
今回、20代から80代の全世代といえる交流が一時的ながら実現した。

これが地域で行われるようになれば、地域の課題の多くは解決できるのではないかと思った。
今、試みていることを広げていけばいいのだと。
なにか希望が持てたようだ。

ありがとうございました。



私たちのチーム発表者は20歳です。



会場を後にしました。


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