![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/cb/1a298299d3aadd378ff8a63c7f2422e2.jpg)
佐藤雅彦さんのFBからの転載です。
11月23日厚生労働省で日本認知症ワーキンググループ設立の記者会見をしました。
「日本認知症ワーキンググループ」設立趣意書
【はじめに】
2014年10月11日、「日本認知症ワーキンググループ」が発足しました。
認知症の人本人をメンバーとし、認知症の人と社会のために、認知症の人自身が活動していく
日本初の独立した組織です。
海外で先駆的な活動を進めている各国の「認知症ワーキンググループ」と連携し、国内の認知症
関連の諸団体と友好的な関係を築きながら活動します。
【目 的】
認知症になってから希望と尊厳をもって暮らし続けることができ、
よりよく生きていける社会を創りだしていくこと。
(認知症の人本人の声を集め、話しあい、目的の実現に向けた活動を展開します。)
【設立の背景】
認知症あるいはその予備群とされる人が800万人を越え、認知症は国民全体にとっての重要な課題です。
国は、2012年に「今後の認知症施策の方向性について」を掲げ、2013年に「認知症施策推進5か年計画
(オレンジプラン)」を策定し、認知症施策が積極的に推進されるようになりました。
これからは国施策の基本目標に明示されているように、「認知症になっても本人の意思が尊重される」
ことが求められる時代です。
一方現実は、「認知症になったら何もわからない」「何も出来ない」という偏見が今なお岩盤のように
残っており、認知症問題とは、「認知症の人が引き起こす問題に周囲が対処しなければならない問題」
として意識されがちです。
そのため、「医療や介護を行う人たちによる対策」は進みましたが、認知症になった人一人ひとりや家族が
「希望をもってよりよく生きる」ための支援体制が十分整ったとはいえない現状があります。
とりわけ、早期診断の広がりによって、自分が認知症であることを認識できる「初期」で診断される人が
増えているものの、診断前後から介護保険サービスの対象とされるまでの支援は未整備であり、絶望に
陥る人があとを絶ちません。
この「空白の期間」の解消は、これから認知症になる可能性のあるすべての人にとって深刻かつ切実な問題です。
今後、認知症の人の数が増え続けることが予想される中、私たちが望むのは、認知症になった本人も、
その周囲の人たちも、希望をもって暮らせるようになることです。
そういう社会を実際に築いていくためには、認知症を現に体験している本人だからこそ気づけたこと、
試行錯誤したことをもとに、よりよく生きていくための医療やケア、社会のあり方を、認知症の本人自身が提案して
いくことが必要不可欠です。そして、前向きに生きる姿を示すこと自体が、偏見をなくしていく力になると信じます。
自らのこと、そしてこれからの社会のことを真剣に考え、声をあげられる認知症の本人がいます。
一人ひとりの声は小さくとも、認知症の人本人が集まり、声を結集して行く中で、社会をよりよく変えていくための
建設的な提案をしていきたいと願って、このワーキンググループが立ち上がりました。
声を上げたくてもあげられないでいる全国の多数の当事者の代弁をしていきたいと思います。
【ワーキンググループで果たしていきたいこと : ミッション】
○ 全国、各地域の認知症の本人の声を代弁
○ 認知症の本人に関係する政策・施策への提案とフォロー(モニタリング)
○ 社会の認識を変えていく(偏見・差別の解消)
○ 認知症の本人の生きる希望や力を高める
○ 認知症の本人がその後をよりよく暮らしていくための早期診断、良質な診断後支援のありかたの提案・全国
すべての地域での普及
○ 認知症の本人が、発症後の人生を自分らしく、よりよく暮らしていくための良き理解者・支援者となる医療・
介護をはじめとした様々な専門職、地域住民、あらゆる分野の人たちを増やす
【活動内容】
・ ワーキンググループのメンバーを全国から募る
・ 全国の認知症の本人の意見を集める、話し合う、提案をまとめる
・ 厚生労働大臣等に提案を提出する
・ 「認知症の人基本法」の提案をする
・ 国や地方自治体の施策等の企画・立案過程の場に参画する、経過を確認する
・ 認知症の本人に役立つ情報提供を行う
(認知症の本人に役立つパンフレット、ヘルプカードをつくる等)
・ 医療、介護、福祉、法律、労働、教育関係者等への働きかけをする
・ 企業への働きかけをする
・ 海外の認知症の当事者とつながり、情報や意見交換を行い、ともに活動する
・ 以上の活動について、広く国内に広報をする
【活動で大切にしていきたいこと】
・ 病名や状態、年齢、地域等で分け隔てすることなく、認知症の一人ひとりを大切にする
・ 誰でも意見を出せる、お互いの声に耳を傾ける
・ 批判するだけではなく、前に進む提案をする
・ 対立ではなく、ともに歩む仲間を増やす
・ 無理なく、それぞれがやれることをする
・ 楽しく、ユーモアをもって活動する
・ あきらめず、行動しつづける(提案が、住み慣れた地域で実現するまで)
・ 希望をもち続ける
【ワーキンググループメンバー】
資格:日本で生活し、認知症の診断を受けた人。あるいは同等の状態にある人。
条件:ワーキンググループの目的に賛同し、他の認知症の本人と意見交換したいと思っていること。
【ワーキンググループの運営】
・ ワーキンググループは次のパートナーと賛同者の協力を得て運営します。
■パートナー
ワーキンググループの目的およびミッションに賛同し、その実現にむけてメンバーと実際に活動をともに
する人たちです。
■賛同者
ワーキンググループの目的およびミッションに賛同し、その実現にむけてメンバーおよびパートナーが
活動を遂行していくことの理解や支援・協力をしてくれる人たちです。
・ メンバーの合議によって運営を進めます。パートナーはそれをサポートします。
・ ワーキンググループの運営や活動の中心となって推進し、代表となるものとして、メンバーおよび
パートナーの互選により、複数名の共同代表をメンバーの中から選びます。
・ 共同代表の任期は1年(再選も可)とします。
【ワーキンググループの英語表記】
本グループと同様の目的・ミッションですでに活動を進めている海外の組織と友好関係を築き協働していくために、
海外での名称「Dementia Working Group」に合わせて、
「Japan Dementia Working Group」(略称JDWG)とします。
*なお、Dementiaという用語について、より適切な表現のあり方について今後、継続して話しあいをしていきます。
【連絡先】
ワーキンググループ事務局 水谷佳子
メール mizutani@toujisya.3tsu.jp 電話 090-1426-0663
【ワーキンググループの設立】
2014年10月11日をもって、「日本認知症ワーキンググループ」を発足します。
以 上
2014年10月11日
日本認知症ワーキンググループ
共同代表(五十音順) 佐藤雅彦 中村成信 藤田和子
※画像は、佐藤雅彦さんのFBからお借りしました。
11月23日厚生労働省で日本認知症ワーキンググループ設立の記者会見をしました。
「日本認知症ワーキンググループ」設立趣意書
【はじめに】
2014年10月11日、「日本認知症ワーキンググループ」が発足しました。
認知症の人本人をメンバーとし、認知症の人と社会のために、認知症の人自身が活動していく
日本初の独立した組織です。
海外で先駆的な活動を進めている各国の「認知症ワーキンググループ」と連携し、国内の認知症
関連の諸団体と友好的な関係を築きながら活動します。
【目 的】
認知症になってから希望と尊厳をもって暮らし続けることができ、
よりよく生きていける社会を創りだしていくこと。
(認知症の人本人の声を集め、話しあい、目的の実現に向けた活動を展開します。)
【設立の背景】
認知症あるいはその予備群とされる人が800万人を越え、認知症は国民全体にとっての重要な課題です。
国は、2012年に「今後の認知症施策の方向性について」を掲げ、2013年に「認知症施策推進5か年計画
(オレンジプラン)」を策定し、認知症施策が積極的に推進されるようになりました。
これからは国施策の基本目標に明示されているように、「認知症になっても本人の意思が尊重される」
ことが求められる時代です。
一方現実は、「認知症になったら何もわからない」「何も出来ない」という偏見が今なお岩盤のように
残っており、認知症問題とは、「認知症の人が引き起こす問題に周囲が対処しなければならない問題」
として意識されがちです。
そのため、「医療や介護を行う人たちによる対策」は進みましたが、認知症になった人一人ひとりや家族が
「希望をもってよりよく生きる」ための支援体制が十分整ったとはいえない現状があります。
とりわけ、早期診断の広がりによって、自分が認知症であることを認識できる「初期」で診断される人が
増えているものの、診断前後から介護保険サービスの対象とされるまでの支援は未整備であり、絶望に
陥る人があとを絶ちません。
この「空白の期間」の解消は、これから認知症になる可能性のあるすべての人にとって深刻かつ切実な問題です。
今後、認知症の人の数が増え続けることが予想される中、私たちが望むのは、認知症になった本人も、
その周囲の人たちも、希望をもって暮らせるようになることです。
そういう社会を実際に築いていくためには、認知症を現に体験している本人だからこそ気づけたこと、
試行錯誤したことをもとに、よりよく生きていくための医療やケア、社会のあり方を、認知症の本人自身が提案して
いくことが必要不可欠です。そして、前向きに生きる姿を示すこと自体が、偏見をなくしていく力になると信じます。
自らのこと、そしてこれからの社会のことを真剣に考え、声をあげられる認知症の本人がいます。
一人ひとりの声は小さくとも、認知症の人本人が集まり、声を結集して行く中で、社会をよりよく変えていくための
建設的な提案をしていきたいと願って、このワーキンググループが立ち上がりました。
声を上げたくてもあげられないでいる全国の多数の当事者の代弁をしていきたいと思います。
【ワーキンググループで果たしていきたいこと : ミッション】
○ 全国、各地域の認知症の本人の声を代弁
○ 認知症の本人に関係する政策・施策への提案とフォロー(モニタリング)
○ 社会の認識を変えていく(偏見・差別の解消)
○ 認知症の本人の生きる希望や力を高める
○ 認知症の本人がその後をよりよく暮らしていくための早期診断、良質な診断後支援のありかたの提案・全国
すべての地域での普及
○ 認知症の本人が、発症後の人生を自分らしく、よりよく暮らしていくための良き理解者・支援者となる医療・
介護をはじめとした様々な専門職、地域住民、あらゆる分野の人たちを増やす
【活動内容】
・ ワーキンググループのメンバーを全国から募る
・ 全国の認知症の本人の意見を集める、話し合う、提案をまとめる
・ 厚生労働大臣等に提案を提出する
・ 「認知症の人基本法」の提案をする
・ 国や地方自治体の施策等の企画・立案過程の場に参画する、経過を確認する
・ 認知症の本人に役立つ情報提供を行う
(認知症の本人に役立つパンフレット、ヘルプカードをつくる等)
・ 医療、介護、福祉、法律、労働、教育関係者等への働きかけをする
・ 企業への働きかけをする
・ 海外の認知症の当事者とつながり、情報や意見交換を行い、ともに活動する
・ 以上の活動について、広く国内に広報をする
【活動で大切にしていきたいこと】
・ 病名や状態、年齢、地域等で分け隔てすることなく、認知症の一人ひとりを大切にする
・ 誰でも意見を出せる、お互いの声に耳を傾ける
・ 批判するだけではなく、前に進む提案をする
・ 対立ではなく、ともに歩む仲間を増やす
・ 無理なく、それぞれがやれることをする
・ 楽しく、ユーモアをもって活動する
・ あきらめず、行動しつづける(提案が、住み慣れた地域で実現するまで)
・ 希望をもち続ける
【ワーキンググループメンバー】
資格:日本で生活し、認知症の診断を受けた人。あるいは同等の状態にある人。
条件:ワーキンググループの目的に賛同し、他の認知症の本人と意見交換したいと思っていること。
【ワーキンググループの運営】
・ ワーキンググループは次のパートナーと賛同者の協力を得て運営します。
■パートナー
ワーキンググループの目的およびミッションに賛同し、その実現にむけてメンバーと実際に活動をともに
する人たちです。
■賛同者
ワーキンググループの目的およびミッションに賛同し、その実現にむけてメンバーおよびパートナーが
活動を遂行していくことの理解や支援・協力をしてくれる人たちです。
・ メンバーの合議によって運営を進めます。パートナーはそれをサポートします。
・ ワーキンググループの運営や活動の中心となって推進し、代表となるものとして、メンバーおよび
パートナーの互選により、複数名の共同代表をメンバーの中から選びます。
・ 共同代表の任期は1年(再選も可)とします。
【ワーキンググループの英語表記】
本グループと同様の目的・ミッションですでに活動を進めている海外の組織と友好関係を築き協働していくために、
海外での名称「Dementia Working Group」に合わせて、
「Japan Dementia Working Group」(略称JDWG)とします。
*なお、Dementiaという用語について、より適切な表現のあり方について今後、継続して話しあいをしていきます。
【連絡先】
ワーキンググループ事務局 水谷佳子
メール mizutani@toujisya.3tsu.jp 電話 090-1426-0663
【ワーキンググループの設立】
2014年10月11日をもって、「日本認知症ワーキンググループ」を発足します。
以 上
2014年10月11日
日本認知症ワーキンググループ
共同代表(五十音順) 佐藤雅彦 中村成信 藤田和子
※画像は、佐藤雅彦さんのFBからお借りしました。